FP2級過去問題 2024年1月学科試験 問30

問30

物価等に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • 財やサービスの価格(物価)が継続的に上昇する状態をインフレーション(インフレ)という。インフレには、その発生原因に着目した分類として、好景気等を背景とした需要の増大が原因となる()型や、賃金や材料費の上昇等が原因となる()型などがある。
  • 消費者物価指数(CPI)と()は、いずれも物価変動に係る代表的な指標であるが、消費者物価指数(CPI)がその対象に輸入品の価格を含む一方、()は、国内生産品の価格のみを対象とする点などで違いがある。なお、()は、国内要因による物価動向を反映することから、ホームメイド・インフレを示す指標と呼ばれる。
  1. (ア)コストプッシュ (イ)ディマンドプル (ウ)企業物価指数
  2. (ア)ディマンドプル (イ)コストプッシュ (ウ)GDPデフレーター
  3. (ア)コストプッシュ (イ)ディマンドプル (ウ)GDPデフレーター
  4. (ア)ディマンドプル (イ)コストプッシュ (ウ)企業物価指数

正解 2

問題難易度
肢110.9%
肢244.1%
肢311.3%
肢433.7%

解説

〔(ア)、(イ)について〕
インフレーション(インフレ)には「ディマンドプル型」と「コストプッシュ型」の2種類のパターンがあります。
ディマンドプルインフレは、景気が良いことにより需要が供給を上回ることで物価が上昇する状態です。ディマンド=需要、プル=引く、すなわち好景気により高まった需要が商品等の価格を引っ張って生じるインフレです。
これに対して、コストプッシュインフレは、賃金や材料費が上昇した分を商品等の価格に上乗せすることで物価が上昇する状態です。コスト=費用、プッシュ=押す、すなわち高騰したコストが商品等の価格を押し上げることで生じるインフレです。

〔(ウ)について〕
物価変動を示す代表的な指数に「消費者物価指数」と「GDPデフレーター」があります。GDPデフレーターは、「名目GDP÷実質GDP」の式で求められる物価変動を表す指数です。
消費者物価指数は、消費者(家計)が購入する財やサービスの価格を集計して算出されており、集計対象には輸入品も含まれます。
一方、GDPデフレーターが対象とするのは、日本国内で生産された財やサービスの価格に限られ、さらに国内の設備投資なども含めて算出されることから、国内物価変動を包括的に表す指標といえます。そのため、ホームメイド・インフレ(日本国内を要因として起こるインフレ)を示す指標と呼ばれています。

したがって[2]の組合せが適切です。