FPと関連法規(全34問中20問目)

No.20

ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。
2018年1月試験 問1
  1. 住宅ローンの借換えについて相談を受けたファイナンシャル・プランナーのAさんは、顧客に対し、借換えに伴う金利低下のメリットは強調したものの、登記費用など借換えに係る諸費用等デメリットについては説明しなかった。
  2. 相続対策について相談を受けたファイナンシャル・プランナーのBさんは、顧客から預かっていた確定申告書の控えのコピーを、Bさんの知人である弁護士に、顧客の同意を得ることなく渡した。
  3. 高齢の顧客から遺言について相談を受けたファイナンシャル・プランナーのCさんは、顧客が公証役場で公正証書遺言を作成するにあたり、顧客からの求めに応じ、証人としての欠格事由に該当しないことを確認し、証人になった。
  4. 株式の購入について相談を受けたファイナンシャル・プランナーのDさんは、顧客に株式の個別銘柄の売買に関する助言を行うため、金融商品取引業の登録を受けていないにもかかわらず、顧客と投資顧問契約を締結した。

正解 3

問題難易度
肢11.9%
肢24.3%
肢390.6%
肢43.2%

解説

  1. 不適切。ファイナンシャル・プランナーは、顧客の最善の利益を追求することを第一とし、業務の適正、公平さを保つために必要なすべての情報を開示しなければなりません。提案内容にデメリットがあれば、それについても説明することが求められます。
  2. 不適切。ファイナンシャル・プランナーは、業務上知り得た顧客の情報を、正当な事由がある場合を除いて本人の許可なく第三者に提供してはなりません(守秘義務の順守)。設問の事例は「顧客の同意を得ていない」ため不適切です。
    アパート建築に関する相談を受けたファイナンシャル・プランナーのBさんは、顧客から預かっていた確定申告書の控えのコピーを、デベロッパーが事業計画を策定するための資料として、顧客から同意を得ることなくデベロッパーに渡した。2016.5-1-2
  3. [適切]。公正証書遺言の証人になるのに特別な資格は要りません。ファイナンシャル・プランナーが、欠格事由(未成年者および推定相続人などの利害関係者等)に該当しなければ証人として立ち会えます。
  4. 不適切。有価証券の販売、勧誘、投資の助言・運用などの金融商品を業とする事業を行う者は、金融商品取引業として内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。設問の事例は「金融商品取引業の登録を受けていない」ため金融商品取引法に違反する行為です。
    金融商品取引業の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、顧客に株式の個別銘柄の売買に関する助言を行うため、顧客と投資顧問契約を締結した。2017.9-1-3
    金融商品取引業の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、顧客に株式の個別銘柄の売買に関する助言を行うため、顧客と投資顧問契約を締結した。2014.5-1-3
したがって適切な記述は[3]です。