FPと関連法規(全33問中4問目)

No.4

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。
2023年1月試験 問1
  1. 顧客から住宅ローンについて相談を受けたFPのAさんは、顧客から預かった給与所得の源泉徴収票のコピーを、顧客に紹介する予定の不動産会社の担当者に顧客の同意を得ないまま渡した。
  2. 顧客から外貨預金での資金運用について相談を受けたFPのBさんは、円安ドル高がこの先ずっと続くため、円預金の大半をドル預金に移すべきだとアドバイスをした。
  3. 顧客から老後に受け取ることができる年金について相談を受けたFPのCさんは、社会保険労務士の資格を有していないものの、顧客の「ねんきん定期便」に記載されている年金見込額を用いて、繰り下げた場合の年金受給額を試算した。
  4. 顧客から所得税の確定申告について相談を受けたFPのDさんは、税理士の資格を有していないものの、顧客の要望に応じて確定申告書の作成を代行した。

正解 3

問題難易度
肢13.8%
肢28.2%
肢382.6%
肢45.4%

解説

  1. 不適切。給与所得の源泉徴収票には、本人の氏名・住所・勤務先等などの個人情報が記載されています。顧客の個人情報を本人の同意なく第三者に提供することは、個人情報保護法およびFPの職業倫理である守秘義務の順守により禁止されます。
  2. 不適切。業として金融商品に関する個別の助言を行うには、内閣総理大臣から投資助言・代理業の登録を受けていることが必要です。本肢のFPは、金融商品取引業者として登録を受けているかどうか明らかではありませんが、無登録であればその時点で違反、もし登録をしていたとしても為替動向のような不確実な事項について「円安ドル高がこの先ずっと続く」という断定的な判断を提供することは禁止されています。
  3. [適切]。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づく「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。社労士資格を有しないFPであっても、(FP検定の実技問題のように)個別具体的な年金額の試算をすることは可能です。
  4. 不適切。税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」、個別具体的な「税務相談」の3つです。これらは有償・無償にかかわらず税理士ではないFPが取り扱うことができません。顧客の確定申告書を作成することは「税務書類の作成」に該当するので、税理士の資格を有しないFPが行うことはできません。
したがって適切な記述は[3]です。