リスク管理と保険(全46問中11問目)

No.11

生命保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年5月試験 問20
  1. 死亡保障を目的とする生命保険への加入を検討しているAさん(30歳)に対し、「必要保障額を計算して過不足のない適正額の死亡保障を準備することをお勧めします。必要保障額は、通常、末子が誕生したときに最大になります」と説明した。
  2. 医療保障を目的とする保険商品への加入を検討しているBさん(40歳)に対し、「Bさんが加入されている終身保険に医療特約を中途付加することで、医療保障を準備することができます。なお、中途付加した医療特約は、主契約が消滅しても消滅しません」と説明した。
  3. 老後生活資金を充実させたいCさん(50歳)に対し、「年金原資額に最低保証のある変額個人年金保険を活用することで、特別勘定による運用成果によっては老後生活資金を充実させることが可能です。ただし、将来の年金額や解約返戻金などが変動するリスクがあります」と説明した。
  4. 自己の相続における相続税の納税資金を準備したいDさん(60歳)に対し、「契約者(=保険料負担者)および被保険者をDさん、死亡保険金受取人をDさんの推定相続人とする終身保険に加入することで、相続税の納税資金を準備することができます」と説明した。

正解 2

問題難易度
肢19.2%
肢281.4%
肢34.2%
肢45.2%

解説

  1. 適切。必要保障額は「死亡後の総支出-死亡後の総収入」で算定します。通常、必要保障額が最大となるのは末子が誕生したときになります。
    必要保障額の計算においては、すべての子が自立するまでに要する生活費・教育費を支出に含めるので、負担期間が最も長くなる末子誕生時点での総支出額が最も大きくなります。
    死亡保障を目的とする生命保険への加入を検討しているAさん(30歳)に対し、「保険金額を設定する際の目安となる必要保障額は、通常、末子が大学に進学するときに最大となります」と説明した。2014.5-19-1
  2. [不適切]。特約とは、主保険に付加するものですので、主保険の契約が消滅すれば特約も自動的に消滅します。本肢の場合、すでに加入している終身保険に医療保障に関する医療特約を付加するので、主契約である終身保険が解約などにより消滅すると付加した医療特約も消滅することになります。
  3. 適切。変額個人年金保険は、特別勘定に入れた保険料を株式や債券で運用し、その運用成果によって将来受け取ることのできる年金額や解約返戻金の額が変動する保険商品です。変動リスクがあるので、年金原資額に最低保証のある商品を選択することで、もし運用成果が悪かったとしても最低限の年金額を受け取ることができます。
  4. 適切。被相続人を被保険者とした生命保険に加入すると、保険金受取人として指定した特定の相続人が死亡保険金を受け取ることができます。この死亡保険金を相続税の納税資金として活用することができます。終身保険への加入は相続税の納税資金を相続人に遺すための策として有効です。
    自己の相続における相続税の納税資金の準備を検討しているDさん(60歳)に対し、「契約者(=保険料負担者)および被保険者をDさん、保険金受取人を相続人とする終身保険に加入することにより、相続税の納税資金を準備することができます」と説明した。2014.5-19-4
したがって不適切な記述は[2]です。