マーケット環境の理解(全27問中1問目)

No.1

消費者物価指数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年5月試験 問21
  1. 消費者物価指数のうち、「生鮮食品を除く総合指数」や「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」は、消費者物価の基調を把握するうえで有用である。
  2. 国民年金や厚生年金保険の年金額は、物価変動率等に応じて毎年度改定を行う仕組みとされており、当該物価変動率には、消費者物価指数のうち、「総合指数」が用いられている。
  3. 消費者物価指数のうち、「生鮮食品を除く総合指数」は、景気動向指数の一致系列に採用されている。
  4. 消費者物価指数は、基準となる年の物価を100として算出されており、基準年は5年ごとに改定されている。

正解 3

問題難易度
肢16.2%
肢216.0%
肢344.3%
肢433.5%

解説

  1. 適切。消費者物価指数では、①総合指数、②生鮮食品を除く総合指数、③生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数の3つが概況として公表されています。「生鮮食品」は天候変動の影響を、ガソリン、電気およびガス等の「エネルギー」は海外要因による原油価格の影響を受けるため、これらの外的要因に値動きが大きな影響を受けるものを除いた指標を見ることで、より正確に消費者物価の基調的な変動を把握することができます。
  2. 適切。年金給付額は、物価変動率と賃金変動率、年齢構成の変化、人口の将来推計などに応じて算定される改定率により毎年改定されます。年金改定に用いられる物価変動率には、消費者物価指数のうち「総合指数」の前年比が用いられています。
  3. [不適切]。一致系列ではありません。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、前年同月比)は、景気動向指数の遅行系列に採用されています。消費者物価指数は、一般消費者が購入している財・サービス価格の動向を表す指数であり、一致指数より数カ月程度遅れて動く指数であることから、景気の拡大・縮小といった事後検証に使用されます。
  4. 適切。消費者物価指数は、5年ごとに改定される基準年の物価を100として算出した値です。2024年現在の基準年は2020年です。消費者物価指数に採用されている品目等は5年ごとに見直され、消費者の嗜好や新しい商品の販売などによる消費構造の変化に対応しています。
したがって不適切な記述は[3]です。