金融派生商品(全20問中2問目)

No.2

金融派生商品の一般的な特徴等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年5月試験 問28
  1. 取引の当事者間で、異なる種類の通貨について、元本を交換せずに金利のみを一定期間交換する取引を、クーポンスワップという。
  2. 取引の当事者間で、同じ種類の通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する取引を、金利スワップという。
  3. 先物取引は、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引である。
  4. オプション取引では、プット・オプションの買い手は、満期日において原資産の市場価格が権利行使価格よりも低い場合、通常、「権利行使価格で売る権利」を放棄することになる。

正解 4

問題難易度
肢121.5%
肢215.5%
肢311.2%
肢451.8%

解説

  1. 適切。クーポンスワップは、異なる通貨の金利部分のみを交換する取引です。例えば、円と米ドルのクーポンスワップだと、円の利息を支払って米ドルの利息を受け取ることになります。輸入取引・輸出取引を行う企業が、為替変動リスクをコントロールするためなどに用いられます。
  2. 適切。金利スワップは、同じ通貨で異なる種類の金利(固定金利と変動金利など)を交換する取引です。例えば、固定金利を支払い、変動金利を受け取るなどです。金利の見通しに合わせて、金利変動リスクをコントロールするために用いられます。
  3. 適切。先物取引とは、特定の商品(原資産)を将来の一定期日にいくらで売買するかを約束し、その期日になったら実際に売買をする取引です。価格の上昇を見込む場合には買建て、価格の下落を見込む場合には売建てるのが基本です。リスクヘッジやレバレッジなどの目的で使用されます。
  4. [不適切]。プット・オプションは、原資産を将来の一定期日にあらかじめ決められた価格で売る権利です。市場価格が権利行使価格よりも低い場合、市場価格で買って権利行使価格で売ることで利益が出ますから、オプションを行使することになります。放棄するのは、市場価格が権利行使価格よりも高くなっていて、行使すると損をする場合です。
したがって不適切な記述は[4]です。