所得税の申告と納付(全27問中1問目)

No.1

次のうち、青色申告者のみが適用を受けることができる所得税の青色申告の特典として、最も不適切なものはどれか。
2024年1月試験 問35
  1. 棚卸資産の評価における低価法の選択
  2. 純損失の繰戻還付
  3. 雑損失の繰越控除
  4. 中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入

正解 3

問題難易度
肢119.8%
肢221.6%
肢343.6%
肢415.0%

解説

  1. 適切。白色申告者(青色申告でない者)の場合は、原則的評価方法が最終仕入原価法で、あらかじめ税務署に届け出ていれば他の5種類の原価法(個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法)を選定することができます。青色申告者は上記に加えて「低価法」を選定することができます。低価法は、原価法で算定した在庫の取得価額と年末時点での時価を比較して、いずれか低い方を棚卸資産評価額とする方法です。
  2. 適切。純損失の繰戻還付は、純損失を前年の所得から控除して前年に支払った税金の還付を受けることができるもので、青色申告の特典の1つです。
  3. [不適切]。青色申告者の特典は「純損失の繰越控除」です。雑損失の繰越控除は、所得控除の1つである雑損控除の控除額がその年の所得から控除しきれなかった場合に、翌年以後最長3年の繰越控除が認められる制度で、青色申告の有無にかかわらず誰でも適用を受けられます。
  4. 適切。通常、減価償却資産のうち取得価額をその期の必要経費に全額を算入できるのは、使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満のものに限られます。しかし、一定の要件を満たす中小事業者で青色申告者の場合は、取得価額が30万円未満であれば、取得価額の全額を必要経費に算入できる特典があります。
したがって不適切な記述は[3]です。