贈与と税金(全68問中2問目)

No.2

相続時精算課税制度(以下「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
2024年9月試験 問53
  1. 父からの財産の贈与について本制度を選択した子は、その選択をした年分以後、所定の手続きにより、その父から受ける財産の贈与について暦年課税に変更することができる。
  2. 父からの財産の贈与について本制度を選択した子は、同一年中に母から受けた財産の贈与についても本制度が適用され、母からの贈与について暦年課税により贈与税額を計算することはできない。
  3. 父からの財産の贈与について子が本制度を選択しようとする場合、贈与者の年齢に係る要件はあるが、受贈者の年齢に係る要件はない。
  4. 父からの財産の贈与について子が本制度を選択しようとする場合、その適用の対象となる贈与財産の種類や贈与回数について制限はない。

正解 4

問題難易度
肢110.8%
肢221.3%
肢312.2%
肢455.7%

解説

  1. 不適切。本制度はいったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなる時まで継続して適用されます。そのため、その贈与者からの贈与について暦年課税に変更することはできません。
  2. 不適切。相続時精算課税度は受贈者ごとに選択できます。したがって、父からの贈与について相続時精算課税制度を選択した場合であっても、母からの贈与については暦年課税を選択し、贈与税額を計算することができます。
  3. 不適切。本制度の適用を受けるには、贈与者・受贈者ともに年齢に係る要件があります。贈与があった年の1月1日時点において、贈与者が60歳以上、受贈者は18歳以上であり、"父母と子"または"祖父母と孫"の関係でなければなりません。
  4. [適切]。本制度の適用対象となる贈与財産の種類に制限はありません。現金預金、不動産、株式、車など何でも贈与できますし、複数年に分けて贈与をしても1回のみで贈与しても問題ありません。
したがって適切な記述は[4]です。