相続と税金(全61問中31問目)

No.31

次のうち、相続税の課税対象とならないものはどれか。
2017年9月試験 問55
  1. 相続の放棄をした者が、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づいて受け取った死亡保険金
  2. 相続または遺贈により財産(みなし相続財産を含む)を取得しなかった者が、その相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産
  3. 被相続人に対する給与のうち、相続開始時において支給期の到来していないもので、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの
  4. 被相続人から贈与により取得した財産で相続時精算課税制度の適用を受けているもの

正解 2

問題難易度
肢122.2%
肢238.0%
肢316.8%
肢423.0%

解説

  1. 不適切。民法上、死亡保険金は受取人の固有財産であり相続財産ではありません。相続を放棄した者も死亡保険金を受け取ることができますが、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。ただし、相続を放棄した者が受け取る死亡保険金には、相続税の非課税限度額が適用されないので全額が相続税の課税対象になります。
  2. [適切]。相続財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税で贈与を受けていた場合、その贈与財産の価額は、原則として相続税の課税価格に加算されて課税対象となります(生前贈与加算)。しかし、相続・遺贈で財産を取得していない者については、7年内の贈与があっても生前贈与加算の対象外です。
  3. 不適切。相続開始時に支給が決定していなくても、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの(例えば死亡退職金や弔慰金)は、相続財産として相続税の対象になります。これに対して、3年を超えてから支給が決定したものについては、遺族の一時所得として所得税が課されます。
  4. 不適切。相続時精算課税制度の適用を受けて被相続人の生前に贈与された財産は、相続財産を取得したかどうかにかかわらず、贈与財産の価額から基礎控除額を控除した後の残額が相続税の課税対象となります。
したがって適切な記述は[2]です。