相続財産の評価(不動産)(全41問中7問目)
No.7
宅地の相続税評価額の算定方法等に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。- 宅地の相続税評価額の算定方法には、路線価方式や倍率方式がある。路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、宅地の奥行距離や道路付けの状況等に応じた画地調整率により補正した後に、その宅地の面積を乗じて計算した金額によって評価する方式である。一方、倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に(ア)が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式である。
- 宅地の相続対策の1つとして、生前贈与が挙げられる。宅地の贈与を受けた場合、贈与税額の計算上、その宅地の価額は、原則として(イ)によって評価する。ただし、負担付贈与により宅地を取得した場合、贈与税額の計算上、その宅地の価額は、(ウ)によって評価する。
2022年9月試験 問58
- (ア)市町村長 (イ)通常の取引価額 (ウ)相続税評価額
- (ア)国税局長 (イ)相続税評価額 (ウ)通常の取引価額
- (ア)市町村長 (イ)相続税評価額 (ウ)通常の取引価額
- (ア)国税局長 (イ)通常の取引価額 (ウ)相続税評価額
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正解 2
問題難易度
肢124.6%
肢240.4%
肢321.9%
肢413.1%
肢240.4%
肢321.9%
肢413.1%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:6.相続財産の評価(不動産)
解説
〔(ア)について〕宅地の評価方法には次の2種類があります。どちらを採用するかは国税局長が指定しているため、自由に選択できるものではありません。
- 路線価方式
- その宅地に面する路線(道路)に付されている路線価(1㎡あたりの評価額)をもとに算定する。その宅地の形状などにより奥行価格補正率や側方路線影響加算率などにより評価額が補正される。
- 倍率方式
- 宅地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価をする。この倍率は、国税局長が一定の地域ごとに地域の実情を考慮し倍率を定めている。
贈与税や相続税では、宅地の価額は相続税評価額により評価されます。
〔(ウ)について〕
負担付贈与(債務を負担させることを条件とした財産の贈与)があった場合、「贈与財産の価額-負担する債務」の部分が贈与税の課税対象となります。贈与財産の価額は相続税評価額により評価するのが原則ですが、負担付贈与で宅地等、建物、構築物を取得した場合には、例外的に通常の取引価額によって評価することになっています。
一般的に通常の取引価額よりも相続税評価額のほうが低くなっています。仮に相続税評価額が時価の80%だった場合、時価1億円の土地を借金で購入して2,000万円を返済した後に贈与すれば、相続税評価額は8,000万円で負担する債務も8,000万円ですから贈与税はゼロ、受贈者は時価1億円の土地を8,000万円で移転できたことになり、2,000万円分の贈与税を節税できたことになります。過去の地価高騰期にこのような租税回避行為が見られたために講じられた措置です。
したがって[2]の組合せが適切です。
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