相続と法律(全76問中71問目)

No.71

遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2014年5月試験 問55
  1. 自筆証書遺言は、遺言者自身が作成したことが明らかであれば、ワープロやパソコンにより作成しても差し支えないが、日付および氏名は自書しなければならない。
  2. 公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下で作成され、その公正証書の原本が公証役場に保存される。
  3. 遺言者が公正証書遺言の全部または一部を撤回するためには、新たな公正証書遺言を作成しなければならず、自筆証書遺言では撤回することができない。
  4. 遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。

正解 2

問題難易度
肢116.0%
肢272.4%
肢34.1%
肢47.5%

解説

  1. 不適切。自筆証書遺言は、財産目録部分を除き、遺言者が全文、日付、氏名すべてを自筆して押印しなければなりません。ワープロやパソコンにより作成した遺言は自筆証書遺言としては無効です。
    2019年(平成31年)1月より遺言に添付する財産目録についてのみパソコンでの作成や通帳のコピーでも可能になりました
  2. [適切]。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下で作成され、その公正証書の原本が公証役場に保管されるので紛失・偽造の危険がありません。
    公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもとで作成され、その公正証書の原本が公証役場に保存される。2015.10-54-2
    公正証書による遺言は、その公正証書の原本が公証役場に保存されるので、紛失・改ざん・隠匿等のおそれがない。2013.5-52-1
  3. 不適切。遺言者は、いつでも遺言の全部または一部を撤回することができます。いずれかの遺言の方式に従っていれば先に作成した遺言と同じ方式でなくても問題ありません。
  4. 不適切。遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合でも、その遺言の有効性は失われません。遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害請求を行うことで他の相続人に対して侵害された遺留分に相当する額の金銭を請求できます。
    共同相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は無効となる。2024.9-59-1
    遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効となる。2022.5-56-3
    遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合であっても、その遺言が無効となるわけではない。2016.9-55-4
    遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。2013.5-52-2
したがって適切な記述は[2]です。