FP2級過去問題 2013年1月学科試験 問25

問25

債券価格が変動した要因等を解説した次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 日本の長期国債の利回りが急激に下落したことが、日本企業A社が発行した円建て社債の価格の下落につながった。
  2. 時価がオーバーパーであるB社発行の社債が、急きょ、期限前償還されることが発表され、そのことが当該社債の価格の下落につながった。
  3. 海外C国の国債の格付けが2段階引き下げられたことが、C国国債の価格の下落につながった。
  4. 海外D国が公共事業拡大を柱とする財政政策を実施し、その財源として大量の国債を発行したことが、D国国債の価格の下落につながった。

正解 1

問題難易度
肢143.3%
肢225.1%
肢313.8%
肢417.8%

解説

  1. [不適切]。固定金利型の長期国債の利回りが下落すると債券価格は上昇するため、円建てした社債の直接的な下落の要因とはいえません。
  2. 適切。オーバーパーの場合、発行価格よりも償還価格の方が安いため償還差損が発生します。期限前償還が実施されると、損失を補うはずの利子の額が減ることになるため価値が下がり、価格の下落につながります。
  3. 適切。格付けは信用リスクを判断する指標です。格付けが引き下げられると信用リスクが高まり、価格の下落につながります。
  4. 適切。国債が大量に発行されると、国の借金が増えて債務不履行になる恐れや国債の買い手がつかなくなることで、価格の下落につながります。
したがって不適切な記述は[1]です。