FP2級過去問題 2013年1月学科試験 問24

問24

一般的な債券に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 債券の流通市場には、証券取引所で売買する取引所市場と、証券会社等が顧客の相手方となって売買する店頭市場があり、日本においては、取引の大部分は取引所市場が利用されている。
  2. オーバーパー発行の債券を発行時に購入し償還まで保有していた場合、その債券が額面金額によって償還されれば、償還差益が発生する。
  3. 額面金額100円、発行価格95円、クーポンレート2%(年1回利払い)の固定利付債券を額面100万円保有する場合、受け取る年利子の金額(税引前)は、19,000円である。
  4. 残存期間が5年の割引債Aと残存期間が3年の割引債Bがあった場合、どちらの割引債も償還価格が100円で現在の債券価格が95円であるとすると、割引債Bの方が最終利回りは高い。

正解 4

問題難易度
肢115.4%
肢219.2%
肢317.8%
肢447.6%

解説

  1. 不適切。債券の流通市場には、取引所市場と店頭市場がありますが、日本においては、ほとんどの売買は店頭市場が利用されています。
    取引所市場
    証券取引所に上場された債券を売買する市場
    店頭市場
    取引所を介さず金融機関と投資家が直接売買する市場
  2. 不適切。オーバーパー発行とは額面よりも高い価格で発行される債券のことです。「額面(償還)金額<発行価格」ですので、償還されると償還差損が発生します。
    アンダーパー発行の債券を発行時に購入し、額面金額で償還された場合、償還差損が発生する。2021.3-23-2
  3. 不適切。固定利付債の年利子は、「額面金額×クーポンレート」で計算されるため「100万円×2%=2万円」となります。
  4. [適切]。最終利回りは以下の式で計算されます。
    24.png./image-size:419×69
    割引債は「額面金額>発行金額」で発行される利息がゼロの債券なので、保有年数が短い方が算出される利回りは大きくなります。したがって設問の場合、残存期間が短い割引債Bの方が最終利回りは高くなります。
したがって適切な記述は[4]です。