FP2級過去問題 2013年9月学科試験 問59

問59

自社株(非上場株式)を同族株主等が相続または遺贈により取得した場合の株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、選択肢1から3において、評価会社は、いずれも特定の評価会社ではないものとする。
  1. 規模区分が大会社と判定された評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、類似業種比準方式により評価する。
  2. 規模区分が中会社と判定された評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と配当還元方式の併用方式により評価する。
  3. 規模区分が小会社と判定された評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、配当還元方式により評価する。
  4. 土地保有特定会社または株式保有特定会社に該当する評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する。

正解 1

問題難易度
肢139.3%
肢218.3%
肢319.4%
肢423.0%

解説

相続税評価額の計算において、非上場株式などの取引相場のない株式には、以下の3種類の評価方式があり、どの方式を用いるかは以下のチャートのように決定されます。
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  1. [適切]。取得者が同族株主で規模が大会社の場合には、原則として、類似業種比準方式で評価します。
    会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。2024.1-57-2
    会社規模が大会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式によって評価する。2023.5-57-2
    会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。2023.5-57-3
    会社規模が中会社である会社の株式の価額は、類似業種比準方式、または純資産価額方式のいずれかによって評価する。2022.9-56-2
  2. 不適切。取得者が同族株主で規模が中会社の場合には、原則として、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価します。
    規模区分が小会社と判定された評価会社の株式を同族株主が取得した場合、当該株式の価額は、原則として、配当還元方式により評価する。2015.10-56-3
    規模区分が小会社と判定された評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、配当還元方式により評価する。2013.9-59-3
  3. 不適切。取得者が同族株主で規模が小会社の場合には、原則として、純資産価額方式で評価します。
    規模区分が小会社と判定された評価会社の株式を同族株主が取得した場合、当該株式の価額は、原則として、配当還元方式により評価する。2015.10-56-3
    規模区分が中会社と判定された評価会社の株式を取得した場合、当該株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と配当還元方式の併用方式により評価する。2013.9-59-2
  4. 不適切。土地保有特定会社や株式等保有特定会社とは、総資産額に占める土地等または株式の価額の割合が一定以上である会社です。同族株主が取得した特定の評価会社の株式は、会社の規模にかかわらず、原則として純資産価額方式により評価額を求めます。
    特定の評価会社は、保有する資産の状況が通常の会社と大きく異なるため、会社の保有する資産の価値に着目した評価方式を使うことになっています。
    土地保有特定会社または株式保有特定会社に該当する評価会社の株式を同族株主が取得した場合、当該株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する。2015.10-56-4
したがって適切な記述は[1]です。