FP2級過去問題 2013年9月学科試験 問60

問60

相続時精算課税制度(以下「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 本制度の適用対象となる受贈者は、贈与者の推定相続人で、かつ、贈与を受けた年の1月1日現在において30歳以上の者である。
  2. 本制度を選択した場合の贈与税額は、その年分の特定贈与者ごとの贈与金額から特別控除額を控除した後の額に、最高50%の超過累進税率を乗じて計算する。
  3. 贈与者の養子となった者が本制度を選択した場合、養子縁組前にその贈与者からの贈与により取得した財産についても、本制度の適用を受けることになる。
  4. 本制度の適用を受けた受贈者が特定贈与者の相続時に相続財産を取得しなかった場合でも、本制度の適用を受けた財産については相続税の課税対象となる。

正解 4

問題難易度
肢19.0%
肢25.9%
肢325.3%
肢459.8%

解説

  1. 不適切。本制度の適用対象となる受贈者は、贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上である、贈与者の推定相続人である子や孫です。
  2. 不適切。控除限度額の2,500万円を超える部分については、一律20%の贈与税が課税されます。
    相続時精算課税制度を選択した場合の贈与税の税額は、特定贈与者ごとに、贈与財産の価額から、基礎控除額に加え、累計2,500万円の特別控除額を控除した後の残額に所定の税率を乗じて計算する。2018.1-52-4
    本制度を選択した場合の贈与税額は、その年分の特定贈与者ごとの贈与税の課税価格から特別控除額(累計で2,500万円)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて計算する。2014.5-53-1
  3. 不適切。相続時精算課税制度は養子も対象になりますが、その贈与者から養子縁組前の贈与によって取得した財産については、この制度の適用を受けることはできません。
  4. [適切]。相続時精算課税制度の適用を受けて贈与を受けた財産は、相続や遺贈で財産を取得したかどうかにかかわらず相続財産に含めるので、相続税の課税対象となりまます。
したがって適切な記述は[4]です。
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