FP2級過去問題 2014年1月学科試験 問40

問40

法人が同法人の役員に対して時価8,000万円の土地を3,000万円で譲渡した場合の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、この取引は当該役員の退職に際して行われたものではないものとする。
  1. 法人が役員に譲渡した不動産の適正な時価は、当該不動産の固定資産税評価額とされる。
  2. 法人においては、時価による譲渡があったものとみなして、法人税法上の譲渡損益が算出される。
  3. 法人においては、役員に対して時価と譲渡価額との差額に相当する金額の給与の支給があったものとみなして、その差額が法人税の損金の額に算入される。
  4. 役員においては、時価と譲渡価額との差額に相当する金額の経済的利益の供与を受けたものとみなして、その金額が一時所得の収入金額となる。

正解 2

問題難易度
肢17.7%
肢225.7%
肢342.1%
肢424.5%

解説

  1. 不適切。時価とは客観的な価値を示す価額であり、法人が役員に譲渡した不動産の適正な時価は、固定資産税評価額のほか、相続税評価額および不動産鑑定士の不動産鑑定評価額を総合的に勘案して決めます。
  2. [適切]。本来の時価よりも安く売ってしまったことになるので、法人では時価で譲渡したものとして譲渡損益が算出されます。
  3. 不適切。法人側では、時価で譲渡したものとして、時価との差額は役員への給与とされます。事前確定届出給与に該当しない臨時的なものの場合は損金不算入になります。
  4. 不適切。役員としては、安く買えたことになるので、時価との差額分の役員給与を支給されたものとして所得税・住民税が課税されます。
したがって適切な記述は[2]です。