FP2級過去問題 2014年5月学科試験 問56

問56

Aさんの死亡により、契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさんとする生命保険から、妻Bさん、長女Cさん、養子Dさん、養子Eさんがそれぞれ死亡保険金1,000万円を受け取った。下記の親族関係図において、被相続人Aさんの相続における死亡保険金の非課税金額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、DさんおよびEさんは被相続人Aさんの普通養子であり、長女Cさんは相続の放棄をしているものとする。
56.png/image-size:294×94
  1. Aさんの相続における死亡保険金の非課税限度額の計算に当たって、「法定相続人の数」は4人となる。
  2. 妻Bさんが受け取った死亡保険金から控除することができる非課税金額は、死亡保険金の非課税限度額の3分の1相当額である。
  3. 実子である長女Cさんが受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額を控除することができる。
  4. 養子であるDさんが受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額を控除することができない。

正解 2

問題難易度
肢139.6%
肢229.8%
肢323.3%
肢47.3%

解説

  1. 不適切。相続の計算に係る法定相続人の数には、相続放棄をした人も含めます。また、相続の計算に係る法定相続人の数に含めることのできる養子の人数は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までという制限があります。
    被相続人Aさんには長女Cさんがいるので、養子Dさんか養子Eさんのどちらか1人までしか法定相続人の数に加えられません。よって、法定相続人の数は、妻Bさん、長女Cさん、養子1人の計3人になります。
  2. [適切]。相続を放棄した人が被相続人の死亡により受け取った死亡保険金については非課税制度の適用はありません。よって、長女Cさんは按分計算から除外されます。
    死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」で計算します。本問のケースでは、相続税の計算に係る法定相続人の数は3人ですので、非課税限度額は「500万円×3=1,500万円」となります。これを受け取った保険金額で按分するので、各人の非課税限度額は、

     1,500万円×1,000万円3,000万円=500万円

    というように非課税限度額の3分の1相当額になります。
    少しわかりにくいですが、非課税限度額の計算の3人は法定相続人なので「妻Bさん、長女Cさん、養子1人」、按分計算の3人は「妻Bさんと養子2人」です。
  3. 不適切。相続を放棄した者が受け取る死亡保険金には非課税限度額の適用はないので、長女Cさんは控除することができません。
  4. 不適切。養子であっても法定相続人であれば、受け取った死亡保険金には非課税金額の規定が適用されます。
したがって適切な記述は[2]です。