FP2級過去問題 2014年9月学科試験 問51

問51

贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 本控除の対象となるのは居住用不動産の贈与であり、居住用不動産を取得するための金銭の贈与は対象とならない。
  2. 本控除の適用要件である贈与者との婚姻期間について、1年未満の端数がある場合、その端数は切り上げて判定する。
  3. 本控除の適用を受けた場合、贈与税の課税価格から基礎控除110万円を控除することはできない。
  4. 贈与者が贈与した年に死亡して相続が開始した場合であっても、所定の要件を満たせば、受贈者(被相続人の配偶者)は本控除の適用を受けることができる。

正解 4

問題難易度
肢110.4%
肢220.7%
肢39.3%
肢459.6%

解説

  1. 不適切。贈与税の配偶者控除では、"居住用不動産(土地のみも可)"のほか、"居住用不動産を取得するための金銭"の贈与も対象とします。
  2. 不適切。端数切り上げは行いません。贈与税の配偶者控除の適用を受けるために必要な婚姻期間は、贈与日において20年以上です。1年未満の端数があっても年数の切り上げ計算は行いません。
  3. 不適切。基礎控除との併用が可能です。贈与税の配偶者控除は、贈与税の基礎控除110万円とは別に最高2,000万円を控除する制度です。つまり、基礎控除と合わせてその年の控除額は最高で2,110万円となります。
    本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。2024.1-53-3
    配偶者からの贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、その年分の贈与税額の計算上、課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。2023.1-53-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から基礎控除額のほかに配偶者控除として最高で3,000万円を控除することができる。2021.5-52-2
    贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高2,500万円を控除することができる。2021.1-53-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高で2,000万円を控除することができるほかに基礎控除額も控除することができる。2020.9-52-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高で2,000万円を控除することができるほかに、基礎控除額の控除もできる。2020.1-52-3
    本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与により取得した財産の合計額から、基礎控除額も含めて最高2,000万円の配偶者控除額を控除することができる。2019.1-54-4
    父と母のそれぞれから同一の年において財産の贈与を受け、いずれの贈与についても暦年課税の適用を受けた場合の贈与税額の計算においては、贈与税の課税価格から基礎控除額として最高220万円を控除することができる。2018.9-53-1
    贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合の贈与税額の計算においては、贈与税の課税価格から基礎控除額を控除することができない。2018.9-53-2
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与により取得した財産の合計額から、基礎控除額のほかに最高2,500万円の配偶者控除額を控除することができる。2017.5-53-4
    配偶者から贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高で2,000万円を控除することができる。2017.1-52-3
  4. [適切]。贈与税の配偶者控除の対象となる贈与をした年に、その贈与者が死亡した場合でも、贈与税の申告書を提出することで贈与税の配偶者控除の適用を受けることができます。これにより、受贈した居住用不動産等のうち、控除額相当額は相続税の課税価格に算入しなくてもよくなります。
したがって適切な記述は[4]です。