FP2級過去問題 2014年9月学科試験 問55

問55

相続税における「遺産に係る基礎控除」の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者については、「法定相続人の数」に算入しない。
  2. 相続人に被相続人の実子と複数の養子(特別養子ではない)がいる場合、「法定相続人の数」に算入する養子の数は1人となる。
  3. 代襲相続人であり、かつ、被相続人の養子となっている者については、実子2人分として「法定相続人の数」に算入する。
  4. 法定相続人が1人もいない場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は0(ゼロ)となる。

正解 2

問題難易度
肢16.2%
肢267.6%
肢313.1%
肢413.1%

解説

  1. 不適切。相続税の計算においては、相続放棄をした者がいても、その放棄はなかったものとして法定相続人の数を数えます。
    遺産に係る基礎控除額の計算上、法定相続人の数は、相続人が相続の放棄をした場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人の数である。2023.9-58-1
  2. [適切]。相続税法上、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までに制限されます。本肢は実子がいる場合なので、法定相続人の数に算入できる養子の数は1人です。
  3. 不適切。被相続人の孫養子が代襲相続人となる場合のように、相続人となる資格が2つあるときは二重資格者となります(本肢だと、被相続人の実子および被相続人の実子の代襲相続人)。この場合、民法上の法定相続分と、相続税計算上の法定相続人の数では扱い方が違っているので注意が必要です。
    法定相続分
    実子としての相続分と、代襲相続人としての相続分を合計した割合になる
    法定相続人の数
    2人ではなく1人としてカウントする
    本問では【法定相続人の数】が問われているので1人分として数えます。よって誤りです。
  4. 不適切。相続税の基礎控除の算式は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」なので、相続人がいなくても最低3,000万円の基礎控除額があります。
したがって適切な記述は[2]です。