FP2級 2016年9月 実技(金財:個人)問15
問15
Aさんの相続における課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が2億7,000万円であった場合の相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、三女Eさんは所定の手続によりAさんの相続を放棄するものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

① | 万円 |
② | 万円 |
③ | 万円 |
④ | 万円 |
正解
① | 5,400(万円) |
② | 3,700(万円) |
③ | 700(万円) |
④ | 5,800(万円) |
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
相続放棄者がいる場合の相続税額の計算という特殊なケースになります。相続税の計算では、相続放棄した人がいる場合でも、その放棄がなかったものとして計算するのがポイントです。〔①について〕
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で算出します。法定相続人の数は、妻Bさん・長女Cさん・二女Dさん・相続放棄をした三女Eさんの4人になります。相続放棄をしても法定相続人の数にはカウントされます。
3,000万円+600万円×4人=5,400万円
よって、正解は5,400(万円)です。
〔②、③について〕
まず設例を見て法定相続人と法定相続分を確認します。法定相続人は前述の通り4人です。
- 妻Bさん … 1/2
- 長女Cさん … 1/2×1/3=1/6
- 二女Dさん … 1/2×1/3=1/6
- 三女Eさん … 1/2×1/3=1/6
[妻Bさん]
2億7,000万円×1/2=1億3,500万円
1億3,500万円×40%-1,700万円=3,700万円
[3人の子]
2億7,000万円×1/6=4,500万円
4,500万円×20%-200万円=700万円
よって、正解は②が3,700(万円)、③が700(万円)になります。
〔④について〕
4人分の税額を合算した金額が相続税の総額です。
3,700万円+700万円×3=5,800万円
よって、正解は5,800(万円)になります。