FP2級 2017年5月 実技(金財:生保)問8
問8
Mさんは、Aさんに対して、《設例》の逓増定期保険について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、空欄②は●分の●形式で記入すること。また、空欄④は解答用紙の「雑収入/雑損失」のいずれかから選び、○印で囲みなさい。「当該生命保険の場合、保険期間開始時から当該保険期間の(①)割に相当する期間においては、支払保険料の(②)を前払保険料として資産に計上し、残りの支払保険料については、一般の定期保険の支払保険料の取扱いと同様に、期間の経過に応じて損金の額に算入します。なお、(①)割に相当する期間を経過した後の期間においては、支払保険料の全額を損金の額に算入するとともに、それまでに資産に計上した前払保険料の累積額をその期間の経過に応じ取り崩して損金の額に算入します。
当該生命保険の解約返戻金は、役員退職金の原資や設備投資等の事業資金として活用することができます。仮に、X社が契約から9年目に当該生命保険契約を解約する場合、X社が解約時までに支払った保険料の総額は7,650万円(850万円×9回)となりますので、それまで資産計上していた前払保険料(③)万円を取り崩し、受け取った解約返戻金との差額を(④)として経理処理します」
①割 |
② |
③万円 |
④ |
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正解
① 6(割) |
② 2分の1 |
③ 3,825(万円) |
④ 雑収入 |
分野
科目:B.リスク管理細目:3.生命保険
解説
〔①について〕
2019年7月7日以前に契約した逓増定期保険の支払保険料は、①満了時年齢、②加入時年齢、③保険期間によって4つの経理処理に分かれます。満了時の年齢が45歳を超える逓増定期保険では、どのケースであっても前半6割期間と後半4割期間の経理処理が異なるのは同じです。
よって、正解は6(割)になります。
〔②について〕
本問のケースですが、現在のAさんは50歳、満了時年齢は72歳、保険期間は「72歳-50歳=22年」ですから、
よって、正解は2分の1になります。
〔③について〕
9年間の保険料総額が7,650万円なので、2分の1に相当する「7650万円×1/2=3,825万円」が前払保険料として資産計上されていることとなります。
よって、正解は3,825(万円)になります。
〔④について〕
解約返戻金額は7,150万円、資産計上額は3,825万円です。「解約返戻金額>資産計上額」ですから差額の3,325万円は雑収入として計上します。
よって、正解は雑収入になります。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた仕訳が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。
2019年7月7日以前に契約した逓増定期保険の支払保険料は、①満了時年齢、②加入時年齢、③保険期間によって4つの経理処理に分かれます。満了時の年齢が45歳を超える逓増定期保険では、どのケースであっても前半6割期間と後半4割期間の経理処理が異なるのは同じです。
よって、正解は6(割)になります。
〔②について〕
本問のケースですが、現在のAさんは50歳、満了時年齢は72歳、保険期間は「72歳-50歳=22年」ですから、
- 満了時年齢 72歳>70歳
- 50+(22×2)=94≦95
よって、正解は2分の1になります。
〔③について〕
9年間の保険料総額が7,650万円なので、2分の1に相当する「7650万円×1/2=3,825万円」が前払保険料として資産計上されていることとなります。
よって、正解は3,825(万円)になります。
〔④について〕
解約返戻金額は7,150万円、資産計上額は3,825万円です。「解約返戻金額>資産計上額」ですから差額の3,325万円は雑収入として計上します。
よって、正解は雑収入になります。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた仕訳が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。
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