FP2級 2018年9月 実技(金財:生保)問15

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問15

Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ヌのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「Aさんが生命保険に加入していないのであれば、契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさん、死亡保険金受取人を相続人とする一時払終身保険への加入を検討してください。終身保険に加入後、Aさんの相続が開始した場合、相続人が受け取る死亡保険金は()万円を限度として、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができます」
  2. 「相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんが相続した場合、二男Dさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分算定の基礎となる財産が2億円の場合、二男Dさんの遺留分の金額は()万円となります。相続財産を多く取得した相続人に十分な資力がなければ、生命保険の活用、生前贈与等により、手元の代償交付金を確保しておく必要があります」
  3. 「配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか()金額までであれば、納付すべき相続税額は算出されません。妻Bさんの固有の財産を含め、二次相続の段階で二男Dさんへの配分を考慮することも検討できます」
  4. 「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得した場合、その()について、通常の価額から80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
  1. イ.500
  2. ロ.1,000
  3. ハ.1,500
  4. ニ.2,500
  5. ホ.3,000
  6. ヘ.5,000
  7. ト.少ない
  8. チ.多い
  9. リ.敷地の全部
  10. ヌ.敷地のうち240㎡までの部分

正解 

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
相続人が受け取った死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」は非課税になります。法定相続人は、妻Bさん・長男Cさん・二男Dさんの3人になるので、非課税限度額は「500万円×3人=1,500万円」です。
よって、正解は[ハ]の1,500(万円)になります。

〔②について〕
遺留分とは、遺族の生活保障を考慮し、相続財産の一定割合を、一定範囲の相続人に留保する制度です。遺留分が認められている遺族と、その割合は次の通りです。
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各人の法定相続分は、妻Bさんが1/2、長男Cさん・二男Dさんが各1/4ですので、相続財産が2億円の場合は、
  • 妻Bさん … 2億円×1/2×1/2=5,000万円
  • 長男Cさん … 2億円×1/4×1/2=2,500万円
  • 二男Dさん … 2億円×1/4×1/2=2,500万円
よって、正解は[ニ]の2,500(万円)になります。

〔③について〕
被相続人の配偶者については、その課税価格が、配偶者の法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれかのうち多い金額以下である場合には、税額控除により納付すべき相続税額が算出されないこととされています。この税額控除を「配偶者に対する相続税額の軽減」といいます。
よって、正解は[チ]の多いになります。

〔④について〕
小規模宅地についての相続税の特例では、自宅の敷地は特定居住用宅地等に該当し、330㎡を限度に80%相当額が減額になります。
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Aさんの自宅の敷地面積は270㎡なので、敷地の全部について80%減で評価可能です。
よって、正解は[リ]の敷地の全部になります。