FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問10

問10

下記<A社の貸借対照表>に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、A社の平均月商は100百万円であるものとする。
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  1. A社の売上債権回転期間は、3ヵ月である。
  2. A社の所要運転資金(経常運転資金)は、100百万円である。
  3. A社の当座比率は、120%である。
  4. A社の固定長期適合率は、80%である。

正解 3

問題難易度
肢114.5%
肢219.8%
肢347.3%
肢418.4%

解説

  1. 適切。売上債権回転期間は、商品・サービスを販売してから代金回収までに要する平均期間を表す指標です。

    ●売上債権回転期間(月)=売上債権÷月間売上高

    本問では、月間売上高100、売上債権が受取手形120と売掛金180なので、「120+180100=3カ月」となります。
  2. 適切。経常運転資金は、事業活動を行っていくうえで恒常的に必要と考えられる運転資金のことです。以下の式で計算します。

    ●経常運転資金=売上債権+棚卸資産-買入債務

    貸借対照表の各金額を整理すると
    • 売上債権 … 受取手形120+売掛金180=300
    • 棚卸資産 … 商品100
    • 買入債務 … 支払手形140+買掛金160=300
    よって、経常運転資金は「300+100-300=100百万円」となります。
  3. [不適切]。当座比率は、流動負債に対する当座資産の割合を示す指標です。値が高いほど短期支払い能力は高いと判断されます。当座資産とは、流動資産から換金性に劣る棚卸資産を除いたものです。

    ●当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

    本問では、現預金200、受取手形120、売掛金180が当座資産に該当するので、「200+120+180500×100=100%」となります。
  4. 適切。固定長期適合率とは、固定資産の取得費用をどれだけ長期資金でまかっているかを表す指標です。計算式は以下の通りです。

    ●固定長期適合率(%)=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100

    本問では、固定資産400、固定負債200、自己資本300なので、「400200+300×100=80%」となります。
したがって不適切な記述は[3]です。