FP2級過去問題 2021年1月学科試験 問17

問17

任意加入の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別料率制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 自動車同士の衝突によって対人賠償保険および対物賠償保険の保険金が支払われる場合は、3等級ダウン事故となる。
  2. 人身傷害(補償)保険の保険金のみが支払われる場合は、1等級ダウン事故となる。
  3. 搭乗者傷害保険の保険金のみが支払われる場合は、等級据え置き事故となる。
  4. 自動車の盗難により車両保険の保険金のみが支払われる場合は、ノーカウント事故となる。

正解 1

問題難易度
肢154.7%
肢27.2%
肢39.3%
肢428.8%

解説

任意加入の自動車保険におけるノンフリート等級別割引・割増制度は、自動車保険における契約者間の保険料負担の公平性を確保するため、契約者の前契約の有無や事故歴に応じて1等級から20等級(一部の共済では上限22等級)に区分し、等級ごとに保険料の割増・割引を行う制度です。等級の数字が大きいほど大きな割引を受けられる仕組みになっています。

新規加入時は6等級からスタートし、1年間無事故ならば7等級にアップするというように、1年で1等級ずつ上がっていきます。ただし、事故を起こして保険を使った場合には原則として3等級ダウンします(10等級で事故を起こすと次回更新時は7等級)。

また、保険を使っても例外的に1等級下がるだけで済む「1等級ダウン事故」、等級に影響しない「ノーカウント事故」があります。
1等級ダウン事故
火災・爆発や台風・洪水といった自然災害や、盗難・落書き・いたずら・飛び石との衝突などの偶然な事故によって、車両保険等を使用した事故
ノーカウント事故
人身傷害保険、搭乗者傷害保険、個人賠償特約、ファミリーバイク特約等からのみ保険金が支払われた事故
  1. [適切]。対人賠償・対物賠償を伴う、いわゆる通常の自動車事故の場合には3等級ダウン事故となります。ノーカウント事故や1等級ダウン事故はあくまで例外的なものです。
  2. 不適切。人身傷害保険の保険金のみが支払われる場合は、ノーカウント事故に該当します。
  3. 不適切。搭乗者傷害保険の保険金のみが支払われる場合は、ノーカウント事故に該当します。等級据え置き事故は昔存在した区分で、現在は1等級ダウン事故に変わっています。
  4. 不適切。自動車の盗難で車両保険の保険金のみが支払われる場合は、1等級ダウン事故に該当します。
したがって適切な記述は[1]です。