FP2級過去問題 2021年1月学科試験 問55

問55

各種金融資産等の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 外貨預金の邦貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。
  2. ゴルフ会員権のうち、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して単にプレーができるだけのものについては評価しない。
  3. 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、発行価額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。
  4. 相続開始時において、保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価する。

正解 3

問題難易度
肢115.8%
肢229.2%
肢343.5%
肢411.5%

解説

  1. 適切。外貨預金の相続税評価は、取引金融機関が公表する課税時期における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる相場により邦貨換算して行います。
    外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。2021.9-56-1
  2. 適切。ゴルフ会員権は課税時期の取引価格の70%で評価するのが原則ですが、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して単にプレーができるだけのものについては評価しません。
  3. [不適切]。金融商品取引所に上場されている利付公社債は、原則としてその公社債が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格と源泉所得税相当額控除後の既経過利息との合計額によって評価します。本肢の評価方法は、上場されていない利付公社債について説明したものなので誤りです。
    ※源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額とは、利払期が到来していない利息のうち課税時期までの既経過分に相当する利息から源泉徴収額を控除した額です。例えば利払いが毎年1月末に行われる公社債を5月末に評価する場合、2月~5月分の利息を評価額に含めるということです。
    金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、券面価額に源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額を加えた金額で評価する。2013.1-54-2
  4. 適切。相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価します。
    相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額により評価する。2021.9-56-4
    相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、課税時期における既払込保険料相当額により評価する。2018.1-58-4
    相続開始時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額により評価する。2013.1-54-3
したがって不適切な記述は[3]です。