FP2級過去問題 2021年3月学科試験 問11

問11

生命保険料の仕組みや算出方法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の予定率は一定であるものとする。
  1. 生命保険会社が保険事業の運営上必要な経費として組み込む予定事業費率が低く設定された場合、一般に保険料は安くなる。
  2. 所定の利率による運用収益を見込んであらかじめ保険料を割り引く予定利率が低く設定された場合、一般に保険料は安くなる。
  3. 養老保険の死亡保険金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が高く設定された場合、一般に保険料は安くなる。
  4. 個人年金保険の終身年金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が低く設定された場合、一般に保険料は安くなる。

正解 1

解説

  1. [適切]。予定事業費率は事業運営に必要な諸経費の割合をあらかじめ見込むものです。予定事業費率が低く設定されると、一般的に保険料は安くなります。
    生命保険会社が保険事業の運営上必要な経費として組み込む予定事業費率を低く設定する場合、一般に保険料は安くなる。2016.5-11-4
  2. 不適切。予定利率は資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分の保険料を割引くものです。運用による収益獲得が見込めないと予定利率が低く設定されるので、一般的に保険料は高くなります。
    所定の利率による運用収益をあらかじめ見込んで保険料を割り引く際に使用する予定利率を低く設定した場合、新規契約の保険料は高くなる。2022.9-11-3
    所定の利率による運用収益をあらかじめ見込んで保険料を割り引く際に使用する予定利率を低く設定した場合、新規契約の保険料は安くなる。2021.9-11-3
    運用収益を予測してあらかじめ一定の利率で保険料を割り引く予定利率を低く設定する場合、一般に保険料は高くなる。2016.5-11-3
  3. 不適切。予定死亡率は、契約期間中に死亡する確率を性別や年齢ごとに過去の統計から死亡数を予測して算出したものです。一般的に予定死亡率が高いほど保険料は高くなります。
    養老保険の死亡保険金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が高く設定された場合、一般に保険料は高くなる。2016.5-11-1
    個人年金保険の年金支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が低く設定された場合、一般に保険料は安くなる。2016.5-11-2
  4. 不適切。終身年金タイプの個人年金保険で予定死亡率を低く設定すると年金支払い期間が長くなります。保険会社の支払いが増えることになるので、一般的に個人年金保険の保険料は高くなります。
したがって適切な記述は[1]です。