FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問60

問60

会社法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 公開会社とは、その発行する全部または一部の株式に譲渡制限のない株式会社のことであり、金融商品取引所に上場することが義務付けられている。
  2. 株式会社は、設立時に最低資本金額として100万円が必要である。
  3. 株式会社が取締役会を設置する場合、2人以上の取締役を置かなければならない。
  4. 株式会社が特定の株主から自己株式を有償で取得する場合、株主総会の特別決議が必要となる。

正解 4

問題難易度
肢114.7%
肢211.9%
肢322.8%
肢450.6%

解説

  1. 不適切。会社法における公開会社とは「発行する全部または一部の株式に譲渡制限のない株式会社」のことです。簡単に言うと、発行する株式のうち一部でも譲渡が自由にできるのであれば公開会社ということです。公開会社と上場会社は同一ではなく、上場することも義務付けられていません。
  2. 不適切。2006年(平成18年)の新会社法施行後は、株式会社の最低資本金の規制はありません。そのため、資本金1円でも株式会社を設立することができます。
    昔は株式会社は1,000万円、有限会社は300万円の最低資本金が必要でした。
  3. 不適切。取締役会を設置する株式会社は、取締役を3人以上置かなければなりません。これは取締役会の決議が、議決に加わる取締役の過半数をもって行うとされているからです。過半数となるためには少なくても3人が必要ですよね。
  4. [適切]。株式会社が株主等から自己の株式を取得する方法にはいくつかありますが、特定の株主から自己株式の取得を行うときには、その特定の株主だけに有利な取引とならないように、株主総会での特別決議が必要です(特定の株主は議決に加わることができません)。原則として、会社が特定の者から株式を買い取る場合には、株主総会の特別決議による必要があります。
したがって適切な記述は[4]です。