FP2級 2021年9月 実技(FP協会:資産設計)問18

問18

会社員の安藤さんは、妻、長男、長女の四人暮らしである。安藤さんが2023年中に新築住宅を購入し、同年中に居住を開始した場合の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、安藤さんは、年末調整および住宅ローン控除の適用を受けるための要件をすべて満たしているものとする。
  1. 2023年分の住宅ローン控除可能額のうち所得税から控除しきれない額があった場合、翌年度の個人住民税から控除することができる。
  2. 安藤さんが転勤により単身赴任(国内)する場合は、いかなるときでも、住宅ローン控除の適用を受けることができない。
  3. 安藤さんが所得税の住宅ローン控除の適用を受ける場合、2023年分は確定申告をする必要があるが、2024年分以降は勤務先における年末調整により適用を受けることができる。
  4. 住宅ローン控除を受け始めてから7年目に繰上げ返済を行った結果、すでに返済が完了した期間と繰上げ返済後の返済期間の合計が10年未満となった場合、繰上げ返済後は住宅ローン控除の適用を受けることができなくなる。
(ア)(イ)(ウ)(エ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)(エ)
×

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:6.税額控除

解説

  1. 〇適切。住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合、その控除しきれなかった額は自動的に翌年の住民税から控除されます。
  2. ×不適切。住宅ローン控除の適用を受けていた者が転勤等によりその住宅に居住しなくなった場合、原則として住宅ローン控除の適用を受けることはできません。しかし、単身赴任等の場合に配偶者や扶養親族が住宅に居住し続け、転勤等の事情が解消した後に再びその住宅に居住すると認められるときは、継続して住宅ローン控除の適用を受けることができます。
  3. 〇適切。住宅ローン控除の適用を受ける場合、初年分は全ての人が確定申告をする必要がありますが、安藤さんのように会社員であれば翌年分以降は勤務先の年末調整によって適用を受けることができます。
  4. 〇適切。住宅ローン控除は償還期間が10年以上の借入金であることが適用要件になっています。繰上げ返済を行った結果、借入れ当初から数えた償還期間が10年未満となった場合は、その年以降住宅ローン控除の適用を受けることはできません。