FP2級 2021年9月 実技(金財:個人)問1

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問1

Mさんは、Aさんに対して、Aさんが現時点(2021年9月12日)で死亡した場合に妻Bさんが受給することができる公的年金制度からの遺族給付および遺族年金生活者支援給付金について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
  1. 「Aさんが現時点において死亡した場合、妻Bさんに対して遺族基礎年金および遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金を受けられる遺族の範囲は、死亡した被保険者によって生計を維持されていた『子のある配偶者』または『子』です。『子』とは、()歳到達年度の末日までの間にあるか、□□□歳未満で障害等級1級または2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻していない子を指します。妻Bさんが受給することができる遺族基礎年金の額は()円(2021年度価額)となり、長女Cさんの()歳到達年度の末日終了により遺族基礎年金の受給権を失います。また、妻Bさんが遺族基礎年金を受給し、前年の所得が一定額以下である場合、妻Bさんは、遺族年金生活者支援給付金を受給することができ、その年額は()円(2021年度価額)となります」
  2. 「遺族厚生年金の額は、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が()に満たない場合、()とみなして年金額が計算されます」
  1. イ.16
  2. ロ.18
  3. ハ.20
  4. ニ.60,000
  5. ホ.60,360
  6. ヘ.74,900
  7. ト.855,800
  8. チ.1,005,600
  9. リ.240月
  10. ヌ.300月
  11. ル.360月

正解 

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
遺族基礎年金の受給対象者は、被保険者と生計維持関係にあった「子のある配偶者」または「子」に限られます。年金法において「子」とは次のいずれかに該当し、かつ現に婚姻していない者に限ります。
  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
よって、正解は[ロ]の18(歳)になります。

〔②について〕
遺族基礎年金の年金額(2021年度価額)は「780,900円+子の加算」です。子の加算額は、第1子・第2子は各224,700円、第3子以降は各74,900円です。
長女Cさん(10歳)がいるので、基本年金額に1人分の子の加算を足した「780,900円+224,700円=1,005,600円」が遺族基礎年金の年金額となります。

よって、正解は[チ]の1,005,600(円)になります。

〔③について〕
年金生活者支援給付金とは、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方の年金に上乗せして支給するものです。
遺族基礎年金の受給者であり前年の所得が一定以下である場合に支給されるのが遺族年金生活者支援給付金で、支給額は月額5,030円(2021年度価額)です。一律定額の支給であり扶養人数に応じた加算はありません。

 5,030円×12カ月=年額60,360円

よって、正解は[ホ]の60,360(円)になります。

〔④について〕
遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の加入記録を基に計算した報酬比例部分の額の4分の3です。被保険者期間が少ないと十分な遺族補償にならないので、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして報酬比例部分の額を計算することになっています。
よって、正解は[ヌ]の300(月)になります。