FP2級 2022年1月 実技(金財:個人)問3

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問3

Aさんが、60歳でX社を定年退職し、その後再就職をせず、また、継続雇用制度も利用しない場合、原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額(2021年度価額)を計算した次の〈計算の手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。計算にあたっては、《設例》の<Aさんとその家族に関する資料>および下記の<資料>に基づくこと。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

〈計算の手順〉
  1. 老齢基礎年金の年金額(円未満四捨五入)
     ()円
  2. 老齢厚生年金の年金額
    1. 報酬比例部分の額:()円(円未満四捨五入)
    2. 経過的加算額:()円(円未満四捨五入)
    3. 基本年金額(②+③):□□□円
    4. 加給年金額(要件を満たしている場合のみ加算すること)
    5. 老齢厚生年金の年金額:()円
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正解 

① 780,900(円)
② 1,026,547(円)
③ 540(円)
④ 1,027,087(円)

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
<資料>の老齢基礎年金の計算式を使います。原則として、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)の全期間保険料を納めれば、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できることになります。

Aさんは18歳から厚生年金被保険者ですが、厚生年金に加入しているということは第2号被保険者として国民年金にも加入していることになります。Aさんは、20歳から60歳までの40年間もれなく厚生年金に加入しているため保険料納付期間は480月となります。20歳未満や60歳以上の第2号被保険者期間は老齢基礎年金額には反映されません。

 780,900円×480月480月=780,900円

よって、正解は780,900(円)です。

〔②について〕
<資料>の老齢厚生年金の計算式に従って計算します。

[ⓐ2003年3月以前の期間分]
 280,000円×7.1251,000×264月=526,680円
[ⓑ2003年4月以後の期間分]
 400,000円×5.4811,000×228月=499,867.2円
[ⓐ+ⓑ]
 526,680円+499,867.2円=1,026,547.2円
(円未満四捨五入して)1,026,547円

よって、正解は1,026,547(円)です。

〔③について〕
<資料>の経過的加算額の計算式を使います。
被保険者期間の月数は「264月+228月=492月」ですが、上限が480月なので480月を使います。20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数も480月なので、計算式に当てはめると、

 1,628円×480月-780,900円×480月480月
=781,440円-780,900円=540円
 
よって、正解は540(円)です。

〔④について〕
加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上ある人が、65歳到達時において生計を維持している下記の配偶者または子がいる場合に、老齢厚生年金に一定額が加算される制度です。
  • 65歳未満の配偶者
  • 18歳到達年度の末日までの間の子
    または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
Aさんは独身であり、長女Cさんも年金法上の子に該当しないので加給年金は支給されません。

したがって、②、③の合計が④の金額となります。

 1,026,547円+540円=1,027,087円

よって、正解は1,027,087(円)です。