FP2級 2022年5月 実技(金財:個人)問15

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問15

各相続人は《設例》の記載のとおり、相続財産を取得した。Aさんの相続に係る相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
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万円
万円
万円
万円

正解 

① 8,000(万円)
② 4,800(万円)
③ 1,415(万円)
④ 6,770(万円)

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
妻Bさんが取得する相続財産は以下の5つです。
  • 現金及び預貯金 3,000万円
  • 自宅(敷地330㎡) 2,000万円
  • 自宅(建物)1,500万円
  • 死亡保険金 1,500万円
  • 死亡退職金 3,000万円
死亡保険金と死亡退職金は、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。法定相続人は、妻Bさん・長男Cさん・孫Fさんの3人なので、非課税限度額は「500万円×3人=1,500万円」です。これを控除すると相続税の課税価格に算入する額は、次の金額となります。
  • 死亡保険金 1,500万円-1,500万円=0円
  • 死亡退職金 3,000万円-1,500万円=1,500万円
妻Bさんに係る課税価格は上記5つを合計して、

 3,000+2,000+1,500+0+1,500=8,000万円

よって、正解は8,000(万円)になります。

〔②について〕
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求めます。法定相続人は前述のとおり3人なので「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」です。
よって、正解は4,800(万円)になります

〔③について〕
まず長男Cさんの課税価格を求めた後、課税遺産総額を求める必要があります。
長男Cさんに係る課税価格は、設例より、現金および預貯金8,000万円とX社株式1億2,000万円の合計で2億円です。したがって相続税の課税価格の合計額は、

 8,000万円+2億円+2,000万円+3,000万円=3億3,000万円

課税遺産総額は「相続税の課税価格の合計額-基礎控除額」で計算するので、以下のように求められます。

 3億3,000万円-4,800万円=2億8,200万円

この金額を法定相続分に従って各相続人に配分します。

法定相続人は「妻Bさん」「長男Cさん」「孫Fさん」の3人であり、それぞれの法定相続分は次のとおりです。
  • 妻Bさん … 1/2
  • 長男Cさん … 1/2×1/2=1/4
  • 孫Fさん … 1/2×1/2=1/4
まず、課税遺産総額2億8,200万円を法定相続分で各人に分配します。
  • 妻Bさん … 2億8,200万円×1/2=1億4,100万円
  • 長男Cさん … 2億8,200万円×1/4=7,050万円
  • 孫Fさん … 2億8,200万円×1/4=7,050万円
次に速算表を利用して、各人ごとの相続税額を算出します。
  • 妻Bさん … 1億4,100万円×40%-1,700万円=3,940万円
  • 長男Cさん … 7,050万円×30%-700万円=1,415万円
  • 孫Fさん … 7,050万円×30%-700万円=1,415万円
ここまでの計算で、孫Fさんの法定相続分から算出される相続税額は1,415万円であるとわかります。
よって、正解は1,415(万円)になります。

〔④について〕
全員の算出税額を合算した金額が相続税の総額になります。

 3,940万円+1,415万円+1,415万円=6,770万円

よって、正解は6,770(万円)になります。