FP2級過去問題 2023年1月学科試験 問23

問23

市場金利の変動と固定利付債券の利回り(単利・年率)および価格との関係に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
表面利率が0.50%、償還年限が10年の固定利付債券が額面100円当たり100円で新規に発行された。5年後、市場金利が当該債券の発行時に比べて上昇した結果、債券の価格は()して、()となり、当該債券の現時点(発行から5年後)における最終利回りは0.70%(単利・年率)となった。また、当該債券を発行時に購入し、発行から5年後に()で売却した場合の所有期間利回りは()となる。
  1. (ア)下落 (イ)99.03円 (ウ)0.31%
  2. (ア)下落 (イ)99.03円 (ウ)0.69%
  3. (ア)上昇 (イ)100.98円 (ウ)0.69%
  4. (ア)上昇 (イ)100.98円 (ウ)0.31%

正解 1

問題難易度
肢141.1%
肢235.3%
肢318.7%
肢44.9%

解説

〔(ア)について〕
市場金利が債券発行時より上昇すると、新規発行される債券のクーポンレートは既発債よりも高くなりますから、既発債よりも新規発行債を買うほうがお得です。このため価値の下がった既発債の価格は、金利差に見合った分だけ下落することになります。
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〔(イ)について〕
既発債の債券価格は下落しますから、99.03円と100.98円という2つのうち100円未満となっている99.03円が適切となります。

なお、購入価格aは、債券の利回りを求める式を使って以下のように求めることができます。
 0.5+100-a5a×100=0.7
 (0.5+100-a5)×100=0.7a
 50+20(100-a)=0.7a
 50+2,000-20a=0.7a
 2,050=20.7a
 a=99.03(小数点以下第3位を四捨五入)

〔(ウ)について〕
所有期間利回りは、債券の発行時に購入または既に発行されている債券を購入し、償還前に売却したときの利回りです。債券の価格は以下の関係式で求めます。
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表面利率は0.5%、購入価格は100円、所有期間は5年です。売却価格には現時点の債券価格である(イ)99.03円を使います。

 0.5+99.03-1005100×100
0.5-0.194100×100=0.31%(小数点以下第3位を四捨五入)

したがって適切な組合せは[1]です。