FP2級過去問題 2023年1月学科試験 問58

問58

Aさんの相続が開始した場合の相続税額の計算における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. Aさんが、自己が所有する宅地の上に自宅を建築して居住していた場合、この宅地は自用地として評価する。
  2. Aさんの妹が、Aさんが所有する宅地を使用貸借により借り受け、自宅を建築して居住していた場合、この宅地は自用地として評価する。
  3. Aさんが、自己が所有する宅地の上に店舗用建物を建築し、当該建物を第三者に賃貸していた場合、この宅地は貸宅地として評価する。
  4. Aさんが、自己が所有する宅地に建物の所有を目的とする賃借権を設定し、借地人がこの宅地の上に自宅を建築して居住していた場合、この宅地は貸宅地として評価する。

正解 3

問題難易度
肢11.7%
肢231.1%
肢346.6%
肢420.6%

解説

相続税評価上の宅地の区分は以下の4つです。
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  1. 適切。土地所有者が自分で使用している土地は、自用地として評価します。
    Aさんが、自己が所有する土地の上に自宅を建築して居住していた場合、この土地は自用地として評価する。2022.1-59-1
    Aさんの子が、Aさんが所有する土地を使用貸借で借り受け、自宅を建築して居住していた場合、この土地は貸宅地として評価する。2022.1-59-3
    Aさんが、自己が所有する土地の上に自宅を建築して居住していた場合、この土地は自用地として評価する。2019.9-57-1
    Aさんが所有する宅地の上に自己名義の家屋を建て、これをAさんの個人事業の事務所として使用している場合、その宅地は自用地として評価する。2013.5-56-1
  2. 適切。使用貸借(無償の貸し借り)では借地権が成立しないので、自用地として評価します。
  3. [不適切]。土地所有者が、その土地に自己の賃貸用建物を建てて他人に貸している場合、貸家建付地として評価します。
    Aさんが、自己が所有する土地の上に店舗用建物を建築し、当該建物を第三者に賃貸していた場合、この土地は貸家建付地として評価する。2022.1-59-4
    Aさんが、自己が所有する土地の上にアパートを建築し第三者に賃貸していた場合、この土地は貸家建付地として評価する。2019.9-57-4
  4. 適切。借地権を設定して貸している土地なので、貸宅地として評価します。
    Aさんが、自己が所有する土地に建物の所有を目的とする賃借権を設定し、借地人がこの土地の上に自宅を建築して居住していた場合、この土地は貸宅地として評価する。2022.1-59-2
したがって不適切な記述は[3]です。