FP2級 2023年1月 実技(金財:生保)問1

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問1

Mさんは、Aさん夫妻に対して、Aさんが受給することができる公的年金制度からの老齢給付の額について説明した。《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>および下記の<資料>に基づき、次の①、②を求め、解答用紙に記入しなさい(計算過程の記載は不要)。なお、年金額は2022年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。
  1. 原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額
  2. 原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額
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正解 

① 777,800(円)
② 1,369,176(円)

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
<資料>の老齢基礎年金の計算式を使います。原則として、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)の全期間保険料を納めれば、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できることになります。

Aさんは18歳から厚生年金被保険者ですが、厚生年金に加入しているということは第2号被保険者として国民年金にも加入していることになります。Aさんは、20歳から60歳までの40年間もれなく厚生年金に加入しているため保険料納付期間は480月となります。20歳未満や60歳以上の第2号被保険者期間は老齢基礎年金額には反映されません。

 777,800円×480月480月=777,800円

よって、正解は777,800(円)です。

〔②について〕
<資料>の老齢厚生年金の計算式に従って計算します。

【報酬比例部分の額】
[ⓐ2003年3月以前の期間分]
 280,000円×7.1251,000×204月=406,980円
[ⓑ2003年4月以後の期間分]
 500,000円×5.4811,000×351月=961,915.5円
[ⓐ+ⓑ]
 406,980円+961,915.5円=1,368,895.5円
(円未満四捨五入して)1,368,896円

【経過的加算額】
65歳以後の老齢厚生年金には、定額部分と老齢基礎年金相当額との差額である経過的加算額が加算されます。
被保険者期間の月数は「204月+351月=555月」ですが、上限が480月なので480月を使います。20歳以上60歳未満の被保険者期間の月数も480月なので、計算式に当てはめると、

 1,621円×480月-777,800円×480月480月
=778,080円-777,800円=280円

【加給年金額】
加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上ある人が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その人に生計を維持されている下記の配偶者または子がいると老齢厚生年金に既定額が加算される制度です。
  • 65歳未満の配偶者
  • 18歳到達年度の末日までの間の子
    または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
妻BさんはAさんより年上であり、Aさんが65歳になったとき妻Bさんは既に65歳以上になっているので、加給年金額の加算はありません。

Aさんが受給できる老齢厚生年金の額は、報酬比例部分の額と経過的加算額を合計した金額です。

 1,368,896円+280円=1,369,176円

よって、正解は1,369,176(円)です。