FP2級 2023年5月 実技(FP協会:資産設計)問21

問21

自筆証書遺言と公正証書遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 自筆証書遺言を作成する際には証人が不要であるが、公正証書遺言を作成する際には証人が2人以上必要である。
  2. 家庭裁判所の検認が不要になるのは、遺言書が公正証書遺言である場合に限られる。
  3. 自筆証書遺言を作成する場合において、財産目録を添付するときは、その目録も自書しなければ無効となる。
  4. 公正証書遺言は公証役場に原本が保管されるが、自筆証書遺言についての保管制度は存在しない。

正解 1

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:3.相続と法律

解説

  1. [適切]。自筆証書遺言を作成する場合は証人は不要ですが、公正証書遺言を作成する場合には証人2人以上の立会いが必要です。
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  2. 不適切。公正証書遺言に加え、「自筆証書遺言書保管制度」を利用した自筆証書遺言についても、相続開始後の検認は不要となります。公正証書遺言は公証役場で、自筆証書遺言書保管制度では法務局で、保管前に形式要件の確認が行われ、その後各場所で安全に保管されます。破棄・隠匿・改ざん等のおそれがないため、相続開始後の検認は不要とされています。
  3. 不適切。自筆遺言証書は遺言書の全文、日付及び氏名を自書して、これに押印して作成しますが、自筆遺言証書に添付する財産目録についてのみ自書でなくても良いことになっています(パソコンでの作成や通帳のコピーでも可)。
  4. 不適切。公正証書遺言は作成後、原本が公証役場に保管されます。かつて自筆証書遺言は自分で保管することが一般的でしたが、2020年7月より自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)で安全に保管する「自筆証書遺言書保管制度」がスタートし、遺言者の意思により、法務局での保管を申請することができるようになりました。
したがって適切な記述は[1]です。