長期平準定期保険など貯蓄性のある保険を解約した場合、資産計上していた額を取崩し、取崩額と解約返戻金の差額を雑収入または雑損失として計上する仕訳を行います。

〔①について〕
現時点で解約すると、X社は3,500万円の解約返戻金を受け取ることになります。解約返戻金は、現預金として借方に計上します。
よって、正解は[ヘ]の3,500(万円)になります。

〔②について〕
2019年7月7日以前に契約した長期平準定期保険では、前半6割期間は保険料の2分の1を定期保険料として損金算入し、2分の1を前払保険料として資産計上する経理処理をする決まりです。X社が保険料を支払った15年は、保険期間55年間の前半6割の期間に当たるので、払込保険料累計額4,500万円の2分の1である「4,500万円×1／2＝2,250万円」が資産計上されている金額とわかります。
よって、正解は[ホ]の2,250(万円)になります。

〔③、④について〕
「解約返戻金＞取崩額」なので、その差額は雑収入として計上します。簿記を知っている人であれば、貸方は収益の勘定科目なので雑収入と判断することもできるかと思います。雑収入の額は、解約返戻金3,500万円と取崩額2,500万円の差額である「3,500万円－2,250万円＝1,250万円」です。
よって、③は[チ]の雑収入、④は[ロ]の1,250(万円)が正解になります。