FP2級 2023年9月 実技(金財:個人)問15

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問15

Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「遺言により賃貸マンション等の相続財産の大半を長男Cさんに相続させた場合、二男Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が5億円である場合、二男Dさんの遺留分の金額は()万円となります」
  2. 「妻Bさんが自宅の敷地および建物を相続により取得し、自宅の敷地の全部につい
    て、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、当該敷地(相続税評価額:6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を()万円とすることができます。なお、自宅の敷地について優先して本特例の適用を受けた場合、賃貸マンションの敷地のうち、貸付事業用宅地等として適用を受けることができる面積は所定の算式により調整しなければなりません」
  3. 「相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から()カ月以内に、Aさんの死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。相続税の申告期限までに遺産分割協議が調わなかった場合、相続税の申告時において、未分割の財産に対して『配偶者に対する相続税額の軽減』や『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができないというデメリットが生じます。その場合、相続税の申告の際に『申告期限後()年以内の分割見込書』を税務署に提出し、申告期限後()年以内に遺産分割協議が成立すれば、それらの特例の適用を受けるため、分割後4カ月以内に更正の請求を行うことができます」
  1. イ.2
  2. ロ.3
  3. ハ.4
  4. ニ.6
  5. ホ.10
  6. ヘ.12
  7. ト.1,200
  8. チ.3,000
  9. リ.4,800
  10. ヌ.6,000
  11. ル.6,250
  12. ヲ.12,500

正解 

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
遺留分が認められている遺族とその割合は次のとおりです。
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Aさんが死亡した場合、相続人は妻Bさん・長男Cさん・二男Dさんの3人です。相続人が配偶者と子の場合、遺留分全体は相続財産の2分の1に当たる「5億円×1/2=2億5,000万円」で、これに各人の法定相続分を乗じたものがその人の遺留分となります。二男Dさんの法定相続分は「1/2×1/2=1/4」なので、二男Dさんの遺留分の金額は「2億5,000万円×1/4=6,250万円」です。
よって、正解は[ル]の6,250(円)になります。

〔②について〕
小規模宅地等の評価減の特例における特定居住用宅地等に該当すれば、330㎡までを限度として80%相当額が相続税の課税価格から減額されます。自宅の敷地は200㎡ですから、全ての部分が80%減額の対象となります。

 減額分 6,000万円×80%=4,800万円
 課税価格 6,000万円-4,800万円=1,200万円

よって、正解は[ト]の1,200(万円)になります。

〔③について〕
相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に被相続人の住居地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。納税期限も同様です。
よって、正解は[ホ]の10(ヵ月)になります。

〔④について〕
相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらなかった場合でも、相続税の申告期限までに仮の申告と納税をしなければなりません。このとき、未分割の財産について各種特例の適用を受けることはできませんが、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、実際に申告期限後3年以内に遺産分割協議が成立すれば、遡って特例を受けることができます。その後、納めるべき税額が減った人は4カ月以内に更正の請求を行い、増えた人は修正申告書を提出する流れになります。
よって、正解は[ロ]の3(年)になります。