FP2級過去問題 2024年5月学科試験 問25

問25

債券投資のリスクに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 債券の発行体の所在する国や地域における政治・経済状況の変化等により、債券価格が大きく変動したり、債券の元本や利子の支払不能等が生じたりするリスクを、一般に、カントリーリスクという。
  2. 債券の価格変動リスクは、表面利率などの他の条件が同一であれば、一般に、残存期間が長いほど高くなる。
  3. 債券の信用格付けにおいて、B(シングルビー)格相当以上の格付けが付された債券は、一般に、投資適格債と呼ばれ、信用リスクが低い債券とされる。
  4. 外貨建て債券の為替変動リスクを回避または軽減する方法の一つとして、当該債券の購入時に、その償還日にあわせて為替予約を行う為替ヘッジが考えられる。

正解 3

問題難易度
肢15.2%
肢27.2%
肢382.7%
肢44.9%

解説

  1. 適切。カントリーリスクは、投資対象の国や地域の政治・経済・社会情勢などの変化に起因するリスクのことです。一般的に政治や経済が不安定な国ほど高くなります、カントリーリスクが高いと債券等の投資資産の価格が変動したり、債券の元本や利子の支払いが不能になる債務不履行の状態になったりする危険性も高くなります。
  2. 適切。残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。そのため残存期間の長い債券ほど価格変動リスクは高くなります。
  3. [不適切]。格付けは、信用リスクの大きさをアルファベットで表したものです。一般的に「BBB(トリプルB)」格以上だと投資適格債とされます。
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    格付機関が行う債券の信用格付けで、BB(ダブルB)格相当以上の債券は、一般に投資適格債とされる。2021.3-23-4
    格付機関が行う債券の信用格付けで、「BBB(トリプルB)」格相当以上の債券は、一般に、投資適格債とされる。2018.9-24-1
  4. 適切。為替予約とは、外貨建て資産を円転するときの為替レートをあらかじめ定めておく手法です。外貨建ての金融商品は為替変動の影響を受けるため、円高になった場合は為替差損が発生するリスクがあります。為替予約をすることで、この為替変動リスクを回避または軽減することができます。
したがって不適切な記述は[3]です。