中小法人の資金計画(全30問中9問目)

No.9

下記<資料>に基づき算出される中小企業のA社の財務分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
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2021年1月試験 問10
  1. A社の売上高営業利益率は、25%である。
  2. A社の売上高経常利益率は、30%である。
  3. A社の限界利益率は、50%である。
  4. A社の損益分岐点売上高は、300百万円である。

正解 4

問題難易度
肢113.9%
肢215.1%
肢324.5%
肢446.5%

解説

<資料>内の□□□には次の利益が当てはまります。
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  1. 適切。売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。
    ●売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

    A社の営業利益は100百万円、売上高は400百万円ですから、

     100百万円÷400百万円×100=25%

    よって記述は適切です。
  2. 適切。売上高経常利益率は、売上高に対する経常利益の割合を示す指標です。
    ●売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

    A社の経常利益は120百万円、売上高は400百万円ですから、

     120百万円÷400百万円×100=30%

    よって記述は適切です。
  3. 適切。限界利益率は、売上高に対する限界利益(売上高-変動費)の割合を示す指標です。
    ●限界利益=売上高-変動費
    ●限界利益率(%)=限界利益÷売上高×100

    A社の変動費は200百万円、売上高は400百万円ですから、

     限界利益=400百万円-200百万円=200百万円
     限界利益率(%)=200百万円÷400百万円×100=50%

    よって記述は適切です。
  4. [不適切]。損益分岐点売上高は損益がゼロ、つまり「売上高=費用合計」となる売上高のことで、「固定費÷限界利益率」の式で計算します。
    肢3の解説通り、限界利益率は「200百万円÷400百万円=0.5」、固定費は販売費及び一般管理費に等しいので「100百万円」です。これを上記の公式に当てはめて損益分岐点売上高を求めます。

     100百万円÷0.5=200百万円

    よって記述は誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。