贈与と税金(全68問中1問目)

No.1

贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
2024年9月試験 問52
  1. 過去に本控除の適用を受けたことがある場合、同一の配偶者からの贈与について、再び本控除の適用を受けることはできない。
  2. 本控除の適用を受けるためには、贈与者である配偶者との婚姻期間が贈与を受けた日の属する年の1月1日において20年以上でなければならない。
  3. 配偶者からの贈与について本控除の適用を受け、その翌年に当該配偶者が死亡した場合、当該配偶者に係る相続税額の計算上、本控除の適用を受けた財産のうち、本控除により控除された金額に相当する部分は相続税の課税価格に加算されない。
  4. 居住用不動産である家屋およびその敷地のうち、敷地のみの贈与を受けた場合であっても、本控除の適用を受けることができる。

正解 2

問題難易度
肢18.0%
肢251.8%
肢322.6%
肢417.6%

解説

  1. 適切。贈与税の配偶者控除は、配偶者ごとに一生に一度しか使えません。したがって、ある配偶者からの贈与について適用を受けたことがある場合、同じ配偶者からの贈与について再び適用を受けることはできません。
    配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。2024.1-53-2
    前年以前の年において、すでに配偶者から贈与について本控除の適用を受けている場合、同じ配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。2017.1-53-1
  2. [不適切]。贈与を受けた年の1月1日ではありません。贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与日において婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることが要件となっています。
  3. 適切。贈与税の配偶者控除の適用を受けた居住用財産のうち控除された金額に相当する部分は、生前贈与加算の対象外です。よって、贈与した翌年に贈与者が死亡しても、適用を受けた額については相続税の課税価格に加算する必要はありません。
  4. 適切。贈与税の配偶者控除は、配偶者から"居住用不動産(敷地のみでも可)"または"居住用不動産を取得するための金銭"の贈与が行われた場合、一定要件のもと控除の適用を受けることができます。
    配偶者が所有する居住用家屋およびその敷地の用に供されている土地のうち、土地のみについて贈与を受けた者は、本控除の適用を受けることができない。2019.1-54-2
したがって不適切な記述は[2]です。