事業承継対策(全20問中2問目)
No.2
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。2024年5月試験 問60
- 会社事業後継者が本特例の適用を受けるためには、遺留分を有する旧代表者の推定相続人および会社事業後継者全員の書面による合意が必要である。
- 本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができる。
- 本特例の適用を受けることにより、会社事業後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、本特例の適用に係る合意をした時点の価額とすることができる。
- 本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者の親族に限られる。
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正解 4
問題難易度
肢17.1%
肢25.8%
肢316.0%
肢471.1%
肢25.8%
肢316.0%
肢471.1%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:9.事業承継対策
解説
- 適切。遺留分に関する民法の特例の適用を受けるには、推定相続人と後継者全員の書面による合意が必要になります。本特例の適用を受けるためには、原則として、遺留分を有する推定相続人および後継者全員の書面による合意が必要である。(2017.1-60-1)本特例の適用を受けるためには、原則として、遺留分を有する推定相続人全員の書面による合意が必要である。(2015.10-59-1)
- 適切。後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式を、遺留分の算定基礎となる財産の価額に算入しないようにすることができます。これを「除外合意」といいます。除外合意をすることで、相続紛争のリスクを抑えつつ、後継者に対して集中的に株式を承継させることができます。本特例の適用を受けることによって、後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式の全部または一部について、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことができる。(2023.5-59-1)本特例の適用を受けることによって、後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式の全部または一部について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、本特例の適用に係る合意をした時点の価額とすることができる。(2023.5-59-2)除外合意とは、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した所定の株式等について、その価額を遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入しない旨の合意をいう。(2017.1-60-3)除外合意は、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の合意である。(2015.10-59-3)
- 適切。後継者が旧代表者から贈与により取得した自社株式について、遺留分の算定基礎となる財産の価額に算入する価額を、合意をした時点の価額に固定することができます。これを「固定合意」といいます。固定合意をすることで、もし贈与後に後継者の経営努力により株式価値が増加しても、相続時に想定外の遺留分の主張を受けることがなくなります。固定合意とは、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した所定の株式等について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入すべき価額を取得時点における価額とする旨の合意をいう。(2017.1-60-4)固定合意は、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、当該取得時点における価額とする旨の合意である。(2015.10-59-4)
- [不適切]。本特例の対象となる会社事業後継者は、旧代表者からの贈与等により株式を取得し議決権の過半数を保有していることなどの要件を満たしていれば、旧代表者の親族以外の者でも可能です。子の配偶者や従業員等の親族以外の者が後継者となった場合でも要件を満たしていれば、本特例の適用を受けることができます。
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