相続と法律(全76問中4問目)

No.4

遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2024年9月試験 問59
  1. 共同相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は無効となる。
  2. 共同相続人のうち一部の者についてのみ相続分を指定する内容の遺言は無効となる。
  3. 被相続人は、遺言で、遺産分割の方法を定めることを第三者に委託することができる。
  4. 遺言執行者を指定する内容の遺言は無効となる。

正解 3

問題難易度
肢117.1%
肢24.4%
肢367.3%
肢411.2%

解説

  1. 不適切。遺言で遺産の分割方法を指定したり遺贈を行った結果、相続人の遺留分が侵害された場合でも、その遺言は有効とされます。遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害請求を行うことで他の相続人に対して侵害された遺留分に相当する額の金銭を請求できます。
    遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効となる。2022.5-56-3
    遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合であっても、その遺言が無効となるわけではない。2016.9-55-4
    遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。2014.5-55-4
    遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。2013.5-52-2
  2. 不適切。被相続人は遺言で遺産分割の方法を定めることができます。相続人の一部の者についてのみ相続分を指定する内容の場合でも、その遺言は有効とされます。例えば、共同相続人が被相続人の配偶者、長男、長女の3人の場合、遺言で「長男の相続分は3分の2とする」というように長男だけに具体的な相続分を指定し、他の相続人の相続分は指定しないことができます。
  3. [適切]。被相続人は遺言によって、相続分を指定することができますが、相続分の指定内容の決定を相続人以外の第三者に委託することも可能です。相続分の指定に迷うときには、事前に専門家に相談しておき、遺言でその者に委託する旨を記載するなどができます。
    被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定めることができるが、これを定めることを第三者に委託することはできない。2023.9-55-1
    被相続人は、遺言で、共同相続人の相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することができる。2017.1-55-1
  4. 不適切。遺言執行者は遺言により指定することができます。遺言執行者とは、遺言の内容を実現する人のことです。遺言執行者の欠格事由は未成年者と破産者なので、推定相続人は、これらの欠格事由に該当しなければ遺言執行者に指名することができます。
したがって適切な記述は[3]です。