FP2級過去問題 2013年1月学科試験 問53

問53

配偶者に対する相続税額の軽減(以下「配偶者の税額軽減」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、配偶者の税額軽減の適用を受けるに当たり、他に必要とされる要件はすべて満たしているものとする。
  1. 配偶者の税額軽減の対象となる配偶者には、被相続人との婚姻の届出をしていた者のみならず、被相続人と内縁関係にあった者も含まれる。
  2. 配偶者が相続を放棄した場合でも、その配偶者が遺贈により財産を取得したときには、配偶者の税額軽減の適用を受けることができる。
  3. 配偶者の法定相続分相当額の多寡を問わず、配偶者に係る相続税の課税価格が1億6,000万円を超える場合には、その超える部分については、配偶者の税額軽減の適用を受けることはできない。
  4. 配偶者の税額軽減は、相続税の期限内申告書の提出期限までに遺産が分割された場合にのみ適用を受けることができ、提出期限後に分割された場合には適用を受けることができない。

正解 2

問題難易度
肢17.4%
肢241.4%
肢333.0%
肢418.2%

解説

  1. 不適切。配偶者の税額軽減の対象となる配偶者は、被相続人との法律上の婚姻関係を有するものに限られます。被相続人と内縁(事実婚)関係にあった者は対象外です。
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られず、いわゆる内縁の配偶者も含まれる。2023.1-57-4
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。2022.5-57-4
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られる。2018.5-56-4
  2. [適切]。配偶者に対する相続税額の軽減は、被相続人の配偶者が被相続人から相続または遺贈により財産を取得したときに適用を受けることができます。相続開始時点で法律上の配偶者であれば、その後配偶者が相続を放棄した場合であっても適用されるので、遺贈により取得した財産や死亡保険金などのみなし相続財産があるときにも使うことができます。
  3. 不適切。配偶者の税額軽減では、配偶者に係る課税価格のうち配偶者の法定相続分相当額または1億6,000万円のどちらか多い額までは相続税はかかりません。どちらか多いほうまでなので、配偶者の法定相続分相当額が1億6,000万円を超えているときは、その額までは非課税となります。
  4. 不適切。相続税の申告期限において分割されていない場合であっても、相続税の申告書の提出期限までに「期限後3年以内の分割見込書」を提出し、実際に3年以内に分割された場合には遡って適用を受けることができます。
したがって適切な記述は[2]です。