FP2級過去問題 2014年5月学科試験 問33

問33

所得税における損失の繰越控除および繰戻還付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 純損失の金額を繰り越すことができる期間は、その損失が生じた年の翌年以降3年間である。
  2. 雑損失の繰越控除は、青色申告者に限り、適用を受けることができる。
  3. 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除は、青色申告者に限り、適用を受けることができる。
  4. 純損失の繰戻還付は、青色申告者であれば、その損失が生じた年の前年分について青色申告書を提出しているか否かにかかわらず、適用を受けることができる。

正解 1

問題難易度
肢166.7%
肢215.6%
肢38.1%
肢49.6%

解説

  1. [適切]。青色申告者は、事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算を行ってもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除できます(純損失の繰越控除)。
  2. 不適切。雑損失の繰越控除は、その年の所得金額から雑損控除として控除しきれない損失額を、3年間繰り越すことができる制度です。青色申告者でなくても適用を受けることができます。
  3. 不適切。特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除は、住宅ローンのある住宅をそのローン残高を下回る価格で譲渡した場合に、損失の損益通算や繰越控除ができる特例です。青色申告者でなくても適用を受けることができます。
  4. 不適切。純損失の繰戻還付は、純損失が生じた場合に、その損失額を生じた年の前年に所得から控除して、前年分の所得税の還付を受けることができる制度で、青色申告の特典の一つです。純損失の繰戻還付の適用を受けるには、前年分も青色申告していることが必要です。一方、純損失の繰越控除では損失が生じた年だけ青色申告であればよく、繰越控除を受ける年は白色申告でも構わないという違いがあります。
したがって適切な記述は[1]です。