FP2級過去問題 2015年1月学科試験 問56

問56

公正証書遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 公正証書遺言は、その作成時において遺言者が所有するすべての財産について受遺者を指定しなければならない。
  2. 遺言者の推定相続人だけでなく、その推定相続人の配偶者および直系血族も、公正証書遺言の作成時の証人となることができない。
  3. 公正証書遺言は、作成した日から1年を経過するまでは、その遺言を撤回することができない。
  4. 公正証書遺言を作成した公証人は、遺言者の相続の開始を知った後、遅滞なくその遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けなければならない。

正解 2

問題難易度
肢17.7%
肢270.1%
肢34.4%
肢417.8%

解説

  1. 不適切。公正証書遺言は、作成時に必ずしもすべての財産について受遺者を指定する必要はなく、一部の財産のみを指定することも可能です。
    公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。2024.5-56-1
    公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。2023.9-56-3
    公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。2023.5-54-1
    公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。2023.5-54-2
    公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の推定相続人は、証人として立ち会うことができない。2022.5-56-4
    公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。2022.1-56-3
    公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできない。2020.9-54-3
    公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことはできない。2020.9-54-4
    公正証書遺言の作成時において、遺言者の配偶者が証人として立ち会うことはできない。2014.1-54-2
  2. [適切]。公正証書遺言を作成する場合、必ず2人以上の証人が必要になりますが、遺言内容にかかわりの深い人は証人になれません。このため、遺言者の推定相続人のほか、その推定相続人の配偶者および直系血族、4親等内の親族、また未成年者等は証人になることはできません。
  3. 不適切。遺言は、その方式にかかわらずいつでも撤回することができます。撤回の方法は、原則、新しく作成した遺言に以前の遺言を撤回する旨を記述することで行われます。
  4. 不適切。公正証書遺言の原本は公証役場で保管され、偽造や変造のおそれがないため検認は不要です。自筆証書遺言および秘密証書遺言では、遺言書の保管者や発見者は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。
したがって適切な記述は[2]です。