FP2級過去問題 2016年5月学科試験 問23

問23

債券の信用リスクに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 債券の発行体の財務状況の悪化などにより、その発行する債券の利子や償還金の支払いが債務不履行(デフォルト)となるリスクを、信用リスクという。
  2. 発行体が同一であれば、劣後債であっても他の債券と同等の信用格付となる。
  3. 信用格付において最上級の格付を付された債券については、利子や償還金の支払いに遅延が生じることはない。
  4. 市場で流通している信用リスクの高い債券と信用リスクの低い債券を比較した場合、他の条件が同じであれば、信用リスクの高い債券の方が利回りは低くなる。

正解 1

問題難易度
肢156.4%
肢24.0%
肢35.7%
肢433.9%

解説

  1. [適切]。信用リスクとは、債券の発行体の財務状況や経営環境が悪化し、利払いや元本償還が履行されないリスクを指します。債務不履行を意味する英語 default から、デフォルトリスクともいいます。
    債券の発行体の財務状況などにより利払いや償還金の支払いが不履行となるリスクを、信用リスク(デフォルトリスク)という。2014.9-25-1
  2. 不適切。劣後債とは、普通社債に比べ、元本と利息の支払順位が低い債券です(その分高い利率が設定されます)。不履行リスクが高いため、一般には普通社債よりも低い格付けがされます。
  3. 不適切。信用格付が高い債券ほど、信用リスクは低くなりますが、たとえ最上位の格付を付された債券であっても、利子や元本の不履行リスクがゼロになるわけではありません。
  4. 不適切。信用リスクの高まった債券を買おうとする投資家は少なくなるため、需給バランスにより当該債券の価格は一般的に下落します。債券価格の下落により、既発債の利回りは上昇します。
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したがって適切な記述は[1]です。