FP2級過去問題 2014年9月学科試験 問25

問25

債券投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 債券の発行体の財務状況などにより利払いや償還金の支払いが不履行となるリスクを、信用リスク(デフォルトリスク)という。
  2. 債券の取引高が少ないことなどのため、市場における取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格で取引せざるを得なくなるリスクを、流動性リスクという。
  3. 一般に、格付けの高い債券ほど利回りは高く、格付けの低い債券ほど利回りは低くなる。
  4. 一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が下落すると債券価格は上昇する。

正解 3

問題難易度
肢15.3%
肢211.2%
肢379.4%
肢44.1%

解説

  1. 適切。信用リスクとは、債券の発行体の財務状況や経営環境が悪化し、利払いや元本償還が履行されないリスクを指します。債務不履行を意味する英語 default から、デフォルトリスクともいいます。
    債券の発行体の財務状況の悪化などにより、その発行する債券の利子や償還金の支払いが債務不履行(デフォルト)となるリスクを、信用リスクという。2016.5-23-1
  2. 適切。流動性リスクとは、その債券について市場参加者が少なく、十分な取引量が確保できない状況において、希望する価格で売買が成立しにくくなるリスクを指します。
  3. [不適切]。格付けが高いほど信用リスクは小さいとされます。投資家はリスクに見合ったリターンを求めますから、他の条件が同一であれば、格付けが高い(=信用リスクが低い)ほど利回りは低く、格付けが低い(=信用リスクが高い)ほど利回りは高くなります。
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  4. 適切。固定利付債券の価格は、市場金利とは逆の動きをします。すなわち、市場金利が上昇すると債券の価格は下落し、反対に市場金利が下落すると債券の価格は上昇します。
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    市場金利の上昇は債券価格の下落要因となり、市場金利の低下は債券価格の上昇要因となる。2025.5-24-1
    市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する。2021.3-23-3
    市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。2019.1-23-2
    市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。2018.5-23-1
    一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する。2017.1-23-1
したがって不適切な記述は[3]です。