FP2級 2016年5月 実技(FP協会:資産設計)問38

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問38

芳恵さんの妹の麻里さん(46歳)は会社員であったが、勤務していた事業所の廃止に伴い2024年4月末日をもって離職を余儀なくされ、現在は求職活動中である。麻里さんに支給される雇用保険の基本手当に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、麻里さんは離職したTI社に37歳から勤務し、継続して雇用保険に加入しており、雇用保険の基本手当の受給要件はすべて満たしているものとする。また、麻里さんには、このほかに雇用保険の加入期間はなく、障害者等の就職困難者には該当しないものとし、個別延長給付については考慮しないものとする。
  • 基本手当の所定給付日数は、()である。
  • 基本手当を受けられる期間は、原則として、離職日の翌日から()である。
  • 基本手当は、麻里さんが「求職の申込み」をした日(受給資格決定日)以後、()を経て支給が開始される。
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  1. (ア)90日 (イ)1年 (ウ)待期期間および給付制限期間
  2. (ア)240日 (イ)1年6ヵ月 (ウ)待期期間および給付制限期間
  3. (ア)240日 (イ)1年 (ウ)待期期間
  4. (ア)90日 (イ)1年6ヵ月 (ウ)待期期間

正解 3

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:4.社会保険

解説

〔(ア)について〕
麻里さんは、事業所の廃止による離職のため資料の「特定受給資格者」に該当します。
麻里さんの年齢は46歳、被保険者期間は、勤務開始の37歳から46歳まで9年間です。よって、該当する日数は「240日」となります。
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〔(イ)について〕
雇用保険の基本手当の受給期間は原則として離職日の翌日から「1年間」です。
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〔(ウ)について〕
雇用保険の基本手当は、求職の申込みをしてから「待期期間(7日間)」を経て支給が開始されます。自己都合退職の場合には待期期間に加えて、原則2カ月間の給付制限期間を経過してからの給付となりますが、麻里さんの退職理由は「事業所の廃止」ですので、給付制限期間は適用されません。よって、7日間の待期期間経過後に基本手当が支給されることとなります。
自己都合退職者に対する給付制限が2カ月に短縮されたのは2020年10月からです。それ以前は3か月でした。なお、自己の責めに帰すべき重大な理由で退職・解雇された方、または過去5年間のうち自己都合退職が3回目以上の方の給付制限期間は3か月となります。
したがって[3]の組合せが適切です。