FP2級 2016年9月 実技(金財:生保)問9
問9
X社が現在加入している生命保険を現時点で解約した場合のX社の経理処理(仕訳)について、下記の<条件>を基に、空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ヌのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。<条件>
- X社が解約時までに支払った保険料の総額は2,800万円である。
- 解約返戻金の額は2,200万円である。
- 配当等、上記以外の条件は考慮しないものとする。
- イ.200
- ロ.600
- ハ.800
- ニ.1,100
- ホ.1,400
- ヘ.1,700
- ト.2,200
- チ.2,800
- リ.雑損失
- ヌ.雑収入
① | ② | ③ | ④ |
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正解
① | ② | ③ | ④ |
ト | ホ | ヌ | ハ |
分野
科目:B.リスク管理細目:3.生命保険
解説
契約日が2019年7月7日以前であり、満了時年齢が70歳を超え、契約時年齢+保険期間×2が105を超えるので、X社が現在加入している保険は長期平準定期保険に該当します。
〔①について〕
保険会社から受け取る解約返戻金の額が入ります。解約返戻金は2,200万円なので、借方に現金・預金として計上します。
よって、正解は[ト]の2,200(万円)になります。
〔②について〕
長期平準定期保険の支払保険料の経理処理は、保険期間の前半6割の期間と後半4割の期間で異なります。
前払保険料は解約時までに支払った保険料の総額2,800万円の2分の1を資産計上していることから、「2,800万円×1/2=1,400万円」と計算できます。
よって、正解は[ホ]の1,400(万円)になります。
〔③について〕
解約返戻金と資産計上額を取り崩した額との差額は、「解約返戻金>資産計上額」ならば雑収入(貸方)、「解約返戻金<資産計上額」ならば雑損失(借方)として計上します。
本問の場合「解約返戻金2,200万円>資産計上額1,400万円」となるので、差額は雑収入として益金に参入します。
よって、正解は[ヌ]の雑収入になります。
〔④について〕
雑収入として計上するのは解約返戻金(現金・預金)と資産計上額(前払保険料)の差額800万円です。
よって、正解は[ハ]の800(万円)になります。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた仕訳が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。
〔①について〕
保険会社から受け取る解約返戻金の額が入ります。解約返戻金は2,200万円なので、借方に現金・預金として計上します。
よって、正解は[ト]の2,200(万円)になります。
〔②について〕
長期平準定期保険の支払保険料の経理処理は、保険期間の前半6割の期間と後半4割の期間で異なります。
- 前半6割の期間
- 支払保険料の2分の1を前払保険料として資産計上し、残り2分の1を定期保険料として損金算入する。
- 後半4割の期間
- 支払保険料全額と、前半6割で積み立てた資産(前払保険料)を均等に取り崩した額を損金算入する。
前払保険料は解約時までに支払った保険料の総額2,800万円の2分の1を資産計上していることから、「2,800万円×1/2=1,400万円」と計算できます。
よって、正解は[ホ]の1,400(万円)になります。
〔③について〕
解約返戻金と資産計上額を取り崩した額との差額は、「解約返戻金>資産計上額」ならば雑収入(貸方)、「解約返戻金<資産計上額」ならば雑損失(借方)として計上します。
本問の場合「解約返戻金2,200万円>資産計上額1,400万円」となるので、差額は雑収入として益金に参入します。
よって、正解は[ヌ]の雑収入になります。
〔④について〕
雑収入として計上するのは解約返戻金(現金・預金)と資産計上額(前払保険料)の差額800万円です。
よって、正解は[ハ]の800(万円)になります。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた仕訳が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。
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