FP2級過去問題 2017年1月学科試験 問24

問24

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 委託保証金は、現金以外に有価証券でも代用することができるため、信用取引口座を開設している証券会社に管理を委託している現物の上場株式等を活用して取引することができる。
  2. 委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは、約定金額100万円まで新規建てすることができる。
  3. 信用取引を開始した後に相場が変動しても、追加で保証金を請求されることはないため、損失は当初の委託保証金の範囲に限定される。
  4. 信用取引では、「買い」から取引を開始することも、「売り」から取引を開始することもできる。

正解 3

問題難易度
肢14.9%
肢212.6%
肢372.5%
肢410.0%

解説

  1. 適切。信用取引の委託保証金は、現金だけでなく有価証券で代用することができます。口座を開設している証券会社であれば自己の保有する現物株を委託保証金として、信用取引することもできます。
  2. 適切。委託保証金率とは、約定代金総額に対して必要な委託保証金の割合です。委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは、「30万円÷30%=100万円」で100万円までの取引が可能になります。
    信用取引において、委託保証金率が30%である場合、既存の建玉のない状態で300万円の委託保証金を現金で差し入れたときは、約定金額1,000万円まで新規建てをすることができる。2020.1-24-4
  3. [不適切]。相場の変動によって、委託保証金以上の損失が発生すれば、委託保証金の追加差し入れ(追証)を求められる場合があり、これに応じなくてはなりません。
  4. 適切。信用取引では、「買い」だけでなく、「売り」から取引を開始することもできます。それは証券会社から株を借りて「売り」から取引を開始し、決済の時は証券会社に株を返却するという形の取引になります。
    信用取引では、現物株式を所有していなければ、その株式の「売り」から取引を開始することができない。2022.9-25-3
    信用取引では、現物株式を所有していなくても、その株式の「売り」から取引を開始することができる。2022.1-26-1
    信用取引では、現物株式を所有していなくても、その株式の「売り」から取引を開始することができる。2020.9-25-2
したがって不適切な記述は[3]です。